ブログを書くなら三田紀房著【プレゼンの極意はマンガに学べ】は絶対読むべし。
先日【税理士試験勉強コンテンツ。【書きかけ】仕上げるぞ宣言】をして以来、書きかけの税理士の試験勉強コンテンツを完成させているのですが、このコンテンツ群を書いていたのが、2015年。
三年前程前なのですが、随分と違うなぁと感じます。
考えていることは全然変わっていないのですが、それを表現する術というかスキルがだいぶ違います。
実は、コンテンツを作るにあたって、去年(2017年)に大きな変化がありました。
2017年5月からはじめたシリーズ【人工知能時代のサバイバル仕事術】
このシリーズの前と後だと、コンテンツの作り方が全く違うのです。
それは数字にも現れていて、サイト全体の平均ページ滞在時間は1分39秒。
対してサバイバル仕事術は3分15秒。
つまり、1ページあたりの滞在時間がそれまでのコンテンツ群の約2倍に伸びているのです。
去年のこの時期から単純なPV(ページビュー)数にはこだわらず、いかに滞在時間を長くするかにこだわりました。
理由は、PV数はページを開いた回数であり、タイトルが面白そうだったり興味のありそうな記事なら増えます。が、滞在時間は実際のページが開かれてからコンテンツ自体が読まれないと伸びません。
コンテンツはページを開いてもらってから読んでもらってこそでしょう
という考えから滞在時間重視にシフトしたのですが、そのキッカケとなったのが今回紹介するドラゴン桜などのヒット作で知られる三田紀房先生の【プレゼンの極意はマンガに学べ】
この本を読んだのが、2017年3月後半のちょうど1年前の個人確定申告が終わったあたりでした。読んでから、コンテンツの作り方を根本から作り直しました。そんな話を少々。
ブログとはプレゼンだ
この本の話の趣旨は、まえがきをそのまま読んでもらうのが一番だと思うので、引用させていただきます。
まえがき
新連載、その第1話を前にしたとき、僕はいつも肝に銘じる。
これは単なる第一話ではない。不特定多数の読者を前にした、一発勝負のプレゼンなのだ、と。
たとえば週間マンガ誌『モーニング』で新連載をスタートするとしよう。このとき、マンガ家たちは約30万人もの見知らぬ読者に対して、自分の作品についてプレゼンを行うことになる。ここでいかにして読者の心を鷲づかみにするか。ストーリーやキャラクターを受け入れてもらい、『来週からも読んでみたい』と思ってもらうか。失敗は許されない。大げさな話ではなく、マンガ家生命をかけた一世一代のプレゼンである。
~中略~
たった一発のプレゼン、あなたが明日おこなうプレゼンには、あなたの仕事人生を一変させるだけの可能性が秘められている。
~中略~
ビジネスの現場において直接的に自分をアピール出来る機会は他にない。
伝える力、そして他者を説得し、動かす力。優れたプレゼンにはビジネスパーソンに求められる全てのスキルが詰まっている。
~中略~
マンガ家というのは不思議な職業で、絵がうまいだけでは食っていけない。同業にストーリーなどの発想力だけでもプロにはなれない。
~中略~
マンガの出来不出来を決めるのは、その絵やおもしろいストーリーをどう見せ、どう伝えるか、つまり”演出”の部分だからだ。
マンガはプレゼンなんだと。そうか、自分が作っているブログも一つ一つがプレゼンなんだよなと。
これブログで考えても同じで、同じで文章で同じ結論だとしても、書き手が違えば全く別の印象になるし、書き方や伝え方によっては、最後まで読んでもらうことすら出来ません。
であれば、自分が作るコンテンツを読んでもらうためには何をすればいいのか、三田紀房先生の言う【演出】の部分をどうするのかを考え直すキッカケになったのです。
マンガとブログ
三田紀房先生はマンガというメディアの特性について解説しています。
マンガというメディアの特性
マンガのことを自由な表現媒体だと思っている人は多い。
たしかにマンガでは、人が空を飛ぶこともできるし、火を噴くこともできる。エイリアンの襲来を描くことも、地球が爆発するところだって描けてしまう。しかも必要なのは紙とペンだけで、映画のような特撮セットもCGもいらない。その意味ではかなり自由な表現媒体だといえるだろう。
しかし、こと『伝える』という一点に限定して考えるなら、マンガはかなり制約の多い表現媒体だ。
これは、同じく『絵』を使う、テレビや映画と比較してみればわかるだろう。
たとえばマンガは音を使えない。
人は声を発することができず、風や波の音も聞こえず、物語のクライマックスで名曲『いとしのエリー』をながして涙を誘うことも出来ない。
さらにマンガは絵が動かない。
モノクロの静止画が、紙芝居のように動いていくだけだ。そのなかで、キャラクターの動きを表現し、臨場感や躍動感を出していくのは読み手がおもっている以上に難しいものなのだ。
マンガを伝える事に限定するならかなり制約の多いメディア言うことなのですが、これを読んだ時にブログとは違うなということ。
例えばブログは音は使えます。いとしのエリーもブログにBGMを挿入することは出来ます。※やるかどうかは別にして
挿入した画像は、このようなモーションGIFで動かすことが出来ます。その他にも、マンガは基本全てイラストですが、ブログは通常はテキストで、必要なところでイラストを使うとか、画像を使えます。当然動画も挿入できます。
なので、途中まで文章のみ、ピンポイントでマンガ、またピンポイントで動画。みたいなこともやれなくはないわけで、そう考えると全くと言っていいほど制約の無いメディアということがいえます。
ただし、マンガとブログは非常に大事な共通点があります。
マンガは、時間のコントロールができない。これは意外と見過ごされがちなマンガの特性である。
映画の場合、2時間なら2時間という上映時間を決めるのは監督や制作会社の役割だ。観客はそこに口を挟むことなどできない。
~中略~
ところがマンガの場合、時間をコントロールする権限をもっているのは100%読者なのだ。
~中略~
いくらマンガ家が『このページは大事なところだからじっくり読んでほしい』と思ったところで、どんなシチュエーションでどう読むかを決めるのは完全に読者なのである。
~中略~
こうした制約について、マンガの先人たちはさまざまな試行錯誤をくり返し、マンガならではの表現を確立していった。たとえば、手塚治虫先生が『シーン』という効果音を発明することで、紙の上に”静寂”を描いてみせたのはその象徴的な例だ。
ほかにも、人間の動きを効果線や残像表現でカバーしたり、音符を描くことで音楽が流れているさまを表現したり、動きや音に関する代替手段は多くのマンガ読者が理解していることだろう。
マンガとブログの共通点は、時間のコントロールができない。
言い換えると、
という事なのです。
本書では、制約が多いマンガで伝えるのはリズムと、情報の引き算だという話が丁寧に解説されています。
自分はその話をブログに置き換えて考えた時に再考したのが、画像の使い方です。
具体的には画像を意識的に使い分けるようになりました。
前の記事で【クラウド税理士がこだわるブログの画像の使い方】を紹介しました。
三田先生の本を読むまでは、画像は多くはイメージ写真か、イメージイラストだったのが、明確と意図を持って挿入するようになったのです。
例えば比喩表現なら、頭の中のシチュエーションなので、イラストが適しているよね。とか
※眼の前にいない相手にダメ出しのチャットを送ることの比喩表現
ダイエットの話は、論より証拠と考えたら、動画で実物映す必要あるよねと、ダイエットのビフォーアフターの動画を挿入したり
図解の中で、動きを表現したい時はgifアニメーションを使ったり
と、どうやって相手(ブログの場合、読み手)に一番伝わるかという視点から表現の手法を考えるようになったのです。
さらにブログは、マンガと違って伝えるという事に関して言えば、制約のないメディア。
であれば、自分の表現方法の選択肢を増やした方が良いよねと言うことで去年落語を学んだりもしました。
伝わらなければ意味がない
本書を読んでから、ブログは伝えるための手段は何でも良いのだということが、腹落ちしてから、常に考えるようになりました。
例えば、今の今緊急事態であることを表現したければ、テキストで
トラブルが発生しています
と書くよりも
こちらの方が伝わるでしょう。
なんか不満があって、ふつふつしているのも、
その時、おい!と心の中で叫んでいました。
よりも
こちらのほうが伝わると思います。
専門家は、専門知識を扱っているプライドなのか、どこかで
『専門用語を使うことがカッコいい』
『一般人にわからない様に説明するから食い扶持がある』
みたいな価値観があることが多いんですよね。
例えば、クラウド会計の話もそう。freeeは会計の素人には直感的で使いやすいけど、複式簿記っぽくないからオススメしないとかいう専門家がいますけど、素人でもわかりやすい方が良いに決まっているんですよね。
素人でもわかるわかりやすさなら、複式簿記がわかる人なら、ちょっとした見方の違いさえしればすぐわかりますもんね。
どうせ、作るなら伝わった方がいい、分りやすい方が良い。いつもそんなことを思いながらコンテンツを作っています。
【プレゼンの極意はマンガに学べ】はそのキッカケを与えてくれました。