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会計事務所の生産性について考えよう

会計事務所で勤務する職員やパートタイムで働く皆さん。
事務所の所長や、幹部クラスの上司に
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って言われたことないですか?小難しく解説しているサイトもありますが生産性が低いよりも生産性が高いほうが良い。これは何となくわかると思うのです。

例えば、仲の悪いA村とB村があったとします。

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30日後に戦をする事になりました。
A村の村人もB村の村人もその日に備えて、武器を作ること事にしました。
A村の村人は皆必死に働き武器を作りました。
対してB村の村人はあまり働かず武器を作りませんでした。
結果は、言わずもがな武器を沢山作ったA村の大勝利でした。

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この場合A村の村人はB村の村人よりも武器を作る生産性が高かったから勝利した。
この例えの場合、生産性が高いか低いかは、武器を沢山作れるかどうかです。

だから非常に生産性の指標が分りやすいのです。

会計事務所の生産性って何だ!?

ではここから本題。

冒頭の様に 所長が『生産性を上げてください』と言いますよね。
では具体的に生産性を上げるために

『○○と○○と○○をしてください!!!』

と言ってくれましたか?自分は少なくても勤務税理士時代に言われたことはありませんでした。
自分は、会計業界の生産性の低さの原因は、これをしたら生産性が高くなるという分りやすい目標がないことだと思うのです。
例えば、一般企業の営業職なら生産性の高い低いの指標は売上をとったか否かが一番の指標だから分りやすい。
しかし、会計事務所は経営者や幹部以外は全員が一般企業で言う経理や総務部門などのいわゆるバックオフィス業務部門です。
では、この部門で生産性を上げるとはどんなことなのでしょうか?
よく聞く取り組みとしては、残業をなくしましょう。○時になったら強制的に社内の照明を消します。みたいな話ですが、そんな話で残業がなくなるならみんなとっくに出来ているのです。

生産性を上げたら利はあるのか

では、

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生産性を上げて今の1.5倍の数のクライアントを担当できるようにしてください!

ではどうでしょうか?これも、所長の大号令だけで絵に描いた餅でしょう。
なぜなら、それを聞いた職員はこう思うはずです。

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今だってまあまあ大変なのに、仕事増えてしんどくなるだけじゃん。生産性なんて上げるだけ損損

生産性を上げることは自分自身のスキルアップになるんですよ!と正論をいくら言い聞かせても響きません。【クライアントが クラウド会計の導入を 渋る理由】でも書きましたが人は利(メリット)がないと動かないのです。
職員にとって生産性を上げて、クライアント1.5倍は将来的に自分のスキルアップという利があるわけですが、短期的な利がないのです。短期的な利がないと殆どの場合、人は動かないんですよね。

自分なら会計事務所の生産性向上の為の目標は大きく2つに設定します。

  1. 事務所職員全体の移動時間を半分にする
  2. 事務所のコピー機の使用頻度を5分の1にする。

この2つを達成する事が生産性の向上ですと言い切りますね。会計事務所の業務って、クラウドで業務効率化すればするほどわかりますが、業務時間のかなりの割合が

移動時間と、紙資料への出力と整理

です。

これを削れば、実質的に会計事務所の生産性は向上します。売上をあげようという生産性向上ではなく、同じ業務でかけていた時間を大幅に削る生産性向上ですね。

この2つの目標を達成するために、どうしたら良いかを考える。

    • 移動時間を半分にするには
    • 週に何日かの在宅勤務デーを作る
    • 在宅勤務デーを作るためには事務所全体をクラウド化する
    • クラウド化するためにはクラウド会計やgoogleドライブを活用する。

こんなイメージで、目的地から逆算していけばクラウドツールを使う目的がはっきりします。

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事務所のコピー機を使用頻度を5分に1にするには

  • 紙資料主体のチェック体制を見直す
  • デジタルデータのチェック体制にするためにワンクリックオペレーションを周知徹底する
  • そもそも、事務所以外でもチェックする仕組みを作ればコピー機自体を使わない

という風に仕組みを変えていきます。

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この2つの取組みなら職員一人一人も自分の利を感じやすいのも大事なポイントです。
同じクライアント、同じ給料なら早く仕事が終わるならそれこそが利なのです。

toku逆に、同じ給料なのに、仕事量が増える。これは利に反する。
仕事量も仕事時間同じだが、給料が減る。これも利に反する。これでは駄目なのです。

人は明確な目的地があれば、歩いていけます。そのために、小さい利を分りやすい形で見せてあげる事は大事だと感じています。
税理士試験の勉強の毎回の授業の最初にやるミニテストとか月に一度の定例テストと同じ発想ですね。
生産性向上というマップを広げて、一つ一つ課題をクリアしていけばいつの間にか事務所構造が大きく変わっているのです。