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税理士試験終了後のオフシーズンに何を勉強する?
8月の税理士試験本試験が終了してから、受験予備校来年の8月に向けた税理士試験講座の新シーズンが始まるのが一般的に9月上旬です。
その期間に何を勉強するのかは極めて大事です。プロ野球に例えば、公式戦やオープン戦前のキャンプみたいなものです。プロ野球の世界で公式戦で結果を残すにはキャンプの時期の体づくりが大事だとよく野球解説者が言っています。税理士試験も大事です間違いなく!
では何を勉強するのか?勉強!といっても、本試験直前の様に答練を解き直したり、覚えた理論を忘れないように回すわけではありません。あくまで翌年8月、つまり1年先の本試験を見据えた上でやるべき事をやる!です。
やること
まず一番にやることは、本試験の解答と受験予備校(大原とTAC)の解答速報とを照らし合わせての合格可能性の判定です。ですでに述べました。
この判定はついつい、今年受験勉強の【最後の仕事】と考えがちですが違います。むしろ来年度の税理士試験に向けた【最初の仕事】です。しかも極めて重要な大仕事です。
ここで、可能な限り合格可能性を判断する事が大事です。この判断を誤ったり、そもそもしなかったりすると、一年間の受験勉強の方向性が間違う可能性があるので、注意が必要です。
例えば、どこか旅をするときに、目的地までの距離や方角を調べます。そして、到着日から逆算して交通手段を考えるのと一緒です。
交通の手段も、方向も考えずにとりあえず走ればいいと闇雲にスタートしても目的地にはたどり着きません。
前シーズンの受験勉強を振り返る
新シーズンが本格的に開幕する、9月を前に腰を据えてやりたいのが、8月本試験までの前シーズンの振り返りです。
良かったところ、悪かったところ、改善すべきところなどを考えてみることが大切です。
そのためにも、日々の勉強時間やその時に何を思っていたのかを記録しておくことは重要です。
自分の場合だと、受験初年度(簿記論、財務諸表論、消費税法を受験)の本試験後、来シーズンにむけての去年の自分を分析してみて上がった課題はこの様なものでした。
- 受験専念のため、生活リズムが夜型になりがち
- 自宅での勉強は、オンオフの切り替えが難しい
- 税法暗記(消費税法)にとにかく苦戦をした。特に直前期に多くの時間を取られてしまった
メンタルの話だと【直前期にはいった5月に情緒不安定になり、1ヶ月近くも恋におぼれた】みたいな話もあったりした…
で、これらを踏まえて新シーズンで大きく方針転換したのは、勉強場所の変更。それまで、自宅での勉強をメインにしていたのを、自宅では一切勉強をせず計算も理論暗記も外でやる事としました。
計算問題は、受験予備校の自習室。理論暗記は歩きながらか、スターバックスなどのカフェ。
この変更は大きかったと思っています。受験二年目は法人税法、消費税法(1年目に不合格)、固定資産税の税法3科目を受験して、法人税法を一般クラスで合格出来ましたし、あとの2科目は不合格でしたがあと一歩のA判定不合格だったので、その後仕事をしながらほぼ独学(その年の受験予備校の講座を受講しないという意味で)で、合格出来たのも2年目の方針転換が大きかったと思います。
勉強場所を変えることによって、生活リズムも徐々に朝方になっていったのも大きな変化でしたが、勉強場所や生活リズムの変更は、直前期などに突然変更することも出来なくはないですが、アクセル全開の車に急ハンドルをきるようなもので、うまくいかなかった時の時間的、精神的ロスは直前期にはとても大きなものですので、大胆な方針変更をするなら8月のオフシーズンに考えて、9月から12月までの年内に新体制に作り変えることが必要です。自分も朝方生活が完全に体に馴染んだのは11月中旬くらいでした。
オフシーズンの具体的な勉強は理論暗記のみ
8月に、具体的な勉強をしたのは、理論暗記の前倒しです。理由は前述の前シーズンの振り返りにおいて、税法の理論暗記に苦戦したから。税法科目を勉強して本試験を経験した方なら解ってもらえると思いますが、直前期に暗記の進捗がぐらぐらなものがあると頑張って覚えようというよりも、本試験にはもっていかないいわゆる【捨て理論】になってしまいます。これが非常にもったいない。
そして、合格ラインの読みをした時点で、簿記論、財務諸表論はほぼ間違いなく合格するレベル。
消費税合格ラインをやや下回るから合格すればラッキーという認識でいたので、9月の新シーズンから勉強を開始する、法人税法と固定資産税に加えて年明け1月からは、固定資産税も含めた。税法3科目受験が待っている事は、予想はついていたのです。
税法3科目を自分の勉強スペックで、処理していこうとすると恐らく直前期は地獄絵の様相を呈するなと…
なので、8月から理論暗記をしました。やったのは固定資産税。法人税法はやりませんでした。
一応、資格の大原で販売されている、昨年度受験対策用の理論サブノートポケット版は両科目とも購入して本文を読んでみたのですが、実際の学習をしなくてもなんとなく言っている内容が理解できるのは固定資産税だったので、固定資産税の理論を暗記しました。
暗記暗記は、書いてあることが100%とはいかなくても、ある程度の内容を理解できていないとやっぱり頭に入ってこないので文章が理解できるからは極めて大事です。
そして、暗記したのは16題(4題×4週間)でした。
計算なしの、週に理論4題ですから、そんなにハードというほどでもありません。この、自分が課した理論暗記の勉強ができたら、飲み会で酒はカブ飲みしてましたしちょいちょい遊んでました。
(話が矛盾するようですが、勉強やれ!っていってもやっぱり8月は8月ですから、オンオフをきっちりすれば、良いという話です。)
スタートダッシュの重要性
この8月の理論16題の貯金は、税理士試験2年目シーズンを振り返った時に本当に大きかったと思っています。またプロ野球に例えますが、毎年ペナントレースが始まると、野球解説者は異口同音に最初にスタートダッシュが大事だといいます。最初の10試合程度で、大きく勝ち越せれば優勝する可能性が高くなといういうのです。
自分は、あまりピンと来てなかったのです。百数十試合もするペナントレースのうち最初の10試合で大きく勝ち越しても、多くの場合は優勝するチームは勝ち星が大きく離れているのだからと…
確かに、2年目の税理士試験の結果を見ると、法人税法のみ合格で消費税法と固定資産税は不合格です。
そう考えると、8月に勉強した固定資産税の16題は無駄かというとそうではないのです。
理論暗記の前倒しは まさに、税理士試験における新シーズンのスタートダッシュです。
固定資産税の暗記を16題したことによって、年内に週一で1題ずつ暗記する固定資産税の理論暗記の宿題はすべて1回暗記済みでした。理論暗記を経験の方はお解りだと思いますが、理論暗記は1回目大変。2回めの暗記は1回めの数分の1の時間で暗記できます。
その、浮いた理論暗記の時間はすべて、メイン勉強していた法人税法の勉強時間に充てることが出来ました。
だから、年内にじっくりと法人税法を基礎固めと年明けの税法3科目受験に備えた体制づくりに着手出来ました。多分これが年内に固定資産税の理論にも追われていたら、年内に腰を据えてじっくりととはいかなかったはずです。これが、結果的に年明けの勉強につながり、法人税法は一般クラスの初学で合格しましたし、不合格だったあとの税法2科目も受験2年目のシーズンに合格レベルまで仕上げていたため、仕事をしながらでも確実に1年1科目ずつ合格出来たのです。
まさに、最初のスタートダッシュが好循環を産んだのです。プロ野球の選手だってやっぱり人がやっているもの。最初に勝てれば、モチベーションが上がって良い循環になる。負けがこめば最初から後手後手になる。
ただ、プロ野球と違うのは、野球のスタートダッシュは相手がいて、勝ち負けがはっきりするのでどんなに自分が頑張っても負けるときはある。でも税理士試験は、本試験の合否という1年に1度の勝ち負け以外の戦いは、すべて自分との戦いです。
スタートダッシュの波に乗るか後手後手になるかは、自分自身にかかっているということです。
だからやりましょう!8月から