税理士試験計算問題の攻略 日々の問題は自作の配点を振るべき
スラムダンクの陵南池上の名言からはじめたが、これは、自分も税理士試験の合格科目のうち、簿記論、財務諸表論、法人税法で特に意識していた事だ。
自分は、この3科目すべて、初学者一般コースで一年で合格している。
法人税法は特に上級直結クラス(受験当初の名称)という、年内に基本項目を駆け足で学習し年明けから受験二年目以降の上級者組に編入(というのかな)するクラスの方がむしろスタンダードであったが、自分は一般クラスにした。
理由は、自分の勉強スペック的に、駆け足で二年目以降の受験生が行うカリキュラムに付いていくと、基本がぐらついて消化できないだろうと思っていたから。
だから、逆に一般クラスで学習する内容なら負けないようにと日々の勉強をした。自分が出来ることだけをブラッシュアップしたのだ。その取組が今回の話。
独自の配点を振る
チェック問題から、総合問題にいたるまで、自分は全ての問題に独自の配点を振っていた。
しかも、解答し易い論点に高く配点を振る。
これは、本試験で出題された場合には、どの論点を自分は解答したいのかを日頃の問題演習から身体に染みつけるためだ。
例えば、簿記論で言えば、売掛金や買掛金、有価証券といった項目は残高に何度も修正が入る場合が多い。
3度も、4度も修正が入る残高は、本試験では多くの場合は合否に影響しない捨て論点になる。
ただ、日頃の演習だと、そういう論点に配点が多く振られていたりする。
対して、一度も残高に変動がなかったり、簡単な修正のみで残高を転記すればよい論点もある。
自分は、こういう論点にこそ、多く配点を振って演習問題を解いていた。
法人税法でもそうで、受取配当金の益金不算入の短株の計算や、減価償却の計算に出てくる圧縮記帳などが典型で、直前対策の演習問題だと解答後、講師がその論点を解説するので、しっかり理解して次は解答できるようにしなければいけない気がしてしまう。
しかし、見方を変えれば、直前の演習まで受験生達が、知らなかった論点だから解説しているわけで、その解説している論点がずばりピンポイントで出題されない限り、本試験では捨て論点になるのだ。
だから、自分はそんな論点には独自の配点は振らなかった。
本試験で正しい解答ができないなら、全く知らなかろうが、7割知っていようが同じだということだ。
むしろ、7割位知ってて、なまじ解答ができるかもと本試験の貴重な120分を消費してしまうほうがリスクが高いのだ。
なので、本試験で万に一つも出ない論点なら当然勉強すらしないし、可能性が少しはあるが、出ない確率が高いなら、他に押さえなければいけない基本論点が沢山ある。
受験初年度というのはある意味で、チャレンジャーで良いわけで、プロ野球で例えるなら新人のピッチャーだ。受験初年度でむやみに応用論点まで手を広げるのは新人のピッチャーが身体の基礎も固まってないのに、小手先の変化球を覚えようとするようなもの。まず一年目でやるのは下半身の強化と、ストレートの球速上げることでしょ!?みたいな話だ。
チェック問題でも配点を振る理由
ここまで説明すると、総合問題で独自配点を振るは、結構な確率で理解してもらえるが、チェック問題などの日々の演習問題でも、配点を振るのは面倒だと言う声が多い。
が、自分はチェック問題に配点を振ることの方が重要だと思っている。
なぜなら、チェック問題は、解いて終わりでない。
何度も何度も繰り返すものだ。その際に必ずやりたいのは時間を測定して、正解が導き出せるかだが、正解が導き出せたと言っても、結論の残高だけがあっていたのか、その残高は5つのうち1つだけ正解なのか4つなのかなど、正確に把握しないといけない。
これが、全部回答できたから○、一つしか解答できなかったから☓では次につながらないのだ。
そうではなくたとえば、9月10日 5:00 4/10点 9月12日 4:30 9月13日 4:28 10/10 点 となっていれば、時間も短縮できて、正解も増えていることが一目瞭然だ。
当然日々の演習は、時間を短縮しつつ正答率を上げる訓練を日々しなければ意味がないわけだから、配点は振らなければならないのだ。
論点が多い科目ほど対策は簡単
法人税法で、何年も合格しない人がいる。
受験勉強自体をしてない人は論外として、毎年頑張っているのに合格できない人は総じて、受験予備校の点数はものすごく良いのだ。
では、受験予備校の点数は良いのになぜ本試験が受からないのか?
それは、本試験当日に何を取るべき(解答すべき)か、捨てるべきか(解答しないべき)かの、判断ができないからなのだ。
なまじっか、受験予備校の直前答練で難解な論点を解答出来てしまうため、本試験で初見の問題でも手を出してしまう。もちろん、取るべき基礎論点が確実に取れていれば良いのだが、そこが意外と取れない。
それは、本試験という緊張している状態で、日々出来ていたことが出来なくなるからなのだが、自分から言わせれば、緊張状態でも当たり前にできる様に日々の演習問題から対策を練ることが必要なのだ。
本試験で緊張してしまって本来の力が発揮できませんでした
ではなく
緊張して出なかったその力こそが自分の本来の力
なのだ。そう考えると、絶対にやってはいけないのは緊張したら出来ない事に勉強時間を割くことなのだ。。それを肝に命じておけば
自分が、勝負できるところで、絶対に勝つための準備をする。やることは意外とシンプルなのだ。