Googleが本気で会計ソフトを作ったら税理士の仕事がなくなります!?
クラウド会計ソフトfreee(フリー)が普及すれば、会計の業務が大幅に変わるというのは前回の話でした。
freeeは、元グーグルの社員が起業して作っているスタートアップ企業ですが、個人的にはGoogleがfreeeを買収してGoogleが本気で会計ソフト作ったら、この会計自動化の流れは大きく加速すると考えてます。
もし、Googleがfreeeのコンセプトを引き継いで会計ソフトを作ったらどうなるか、を考えてみます。
勘定科目の自動推測精度が段違いに上がる
freeeでは、金融機関の取引明細を自動で取得します。
取得するデータは「日付」、「取引金額」、そして「入出金の相手先等の取引内容」です。会計帳簿の作成は、この取得した3つのデータに基づいて会計上の勘定科目を設定して登録するわけですが、この勘定科目もfreeeは推測してくれます。
例えば、取引明細に 「テスウリョウ」 とあれば、 勘定科目は 「支払手数料」。「NTTドコモ」とあれば「通信費」という具合です。
ただし、この勘定科目については、一般的な内容であれば、推測してくれますが、例えば、得意先の「鈴木株式会社」や「渡辺事務所」のように“固有名刺”については、自分自身で一度勘定科目を設定し、自動化ボタンを押して登録する必要があります。
一度設定をすると、次回から同じ得意先の入出金があれば、前回登録時の勘定科目で自動登録されるので大変便利です。こうした考え方にたち、Googleが会計ソフトを作るとすれば、例えばgmailのやり取り内容や、chromeの検索履歴を会計ソフトの仕訳推測機能に応用する……という機能も想定されます。すると、勘定科目は、ほぼ間違いなく仕訳されるでしょう。
例えば、gmailのメッセージの文頭に「鈴木株式会社 ○○様」と記録すると、gmailと連動した会計ソフトは「鈴木株式会社」を取引先と認識します。すると、鈴木株式会社から入金があれば、ほぼ間違いなく売上だと推測できるというわけです。
また、Amazonで購入した書籍や消耗品の類であっても、ブラウザの検索履歴の傾向にもとづき、勘定科目を推測できるのはもちろんのこと、プライベートと事業用の判別等も容易に分類してくれそうです。
例えば、北海道に行くための旅券を購入した場合、その後の行動履歴がレジャー施設であればプライベートの支出、セミナールームの予約であれば事業と判別されるというように。
現在の検索結果の傾向から広告が表示されるアルゴリズムを勘定科目の推測に応用すれば、実現は容易でしょう。
もちろん、セキュリティーの問題や感情的に不快という問題はつきまとうでしょうが……、いつ、そんな時代が来てもおかしくないはずです。
もし、Googleがfreeeを買収して会計ソフトを作るようなことがあれば、とても便利な半面、財布の中身まで監視されるようで恐ろしくもあります。