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税理士として独立開業したらまずやるべきたった一つの事

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自分は、独立開業したのが2013年1月。現在(2017年5月下旬)で開業から4年半となりますが、独立した初年度を思い返すとよくもまぁ何の計画もなく独立開業をしたものだと思います。
今思えば、独立初年度はどういう方向性でどういう手順でやれば、良いのかがわかるのですが、あの時は全くの暗中模索でした。
今回から、3回に分けてシリーズで話をしたいのが、独立したら何をすれば良いのか。
4年前の2013年の独立初年度にタイムスリップして、当時の自分に伝えるつもりで書いてみます。

マーケティングの意識がない

独立開業したらまずやるべき事。それは、冒頭の回答の繰り返しになりますが

最低限のマーケティングを学びましょう!

です。

なぜなら、独立当初の自分はマーケティングの知識が0だったからです。
いや、厳密にいうと、知識もなかったですが、それ以上に意識がなかったのだと思います。

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マーケティングというと例えば、○○マーケティング、○○マーケティングとビジネスのテクニック手法みたいなイメージを持っている方は多いと思います。(独立当初の自分がそうでした)

例えばブログ発信をするのもコンテンツマーケティングなんて言われたりします。

でも、本質的な話は、自分の持っている会計税務のスキルや知識を使って【どんなサービスだったら】【誰だったら】【いくらだったらお金を払ってくれるのか】を考える。
それだけといえばそれだけです。

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だから、商売をやっている人は○○マーケティングなんて、名称を知らなくても意識は身体に染み付いています。

でも、独立当初の自分にはそんな意識は全くなかったのです。

なぜなら、

税理士という国家資格を持っていれさえすれば仕事はあると思っていたからです。

ちから

現に独立前のサラリーマン税理士(勤務税理士)の時には、資格を持って実務経験もあればそれなりの待遇で仕事をする事が出来ていました。
だから、どんなサービスなら?誰に?いくらで?なんて、全くと言っていいほど考えてもいないわけです。

そうであれば、今まで考えてなかったんだから考えよう!それが独立開業したら一番最初にやるべき事なのです。

ホームページを作って金をドブに捨てる

マーケティングの意識がなく、独立したらまずやってしまう事。それが、ホームページを作成したり、ブログを始める。これが一番多いのではないでしょうか。
ちなみに、自分がマーケティングの意識もなく開業初年度に作ったホームページがこれです。

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独立前の税理士法人で主に担当していたクライアント先で使っていた連結納税という比較的大規模の法人グループが適用する税制。
そのノウハウを生かして、連結納税を前面に打ち出したホームページを作ったのですが、全くと言っていいほど仕事はありませんでした。
これ、マーケティングの意識がなく

とりあえずホームページを作れば、仕事をいただける

と安易に考えた結果です。
自分は、独立当初はブログなどの文字を書くという事が苦手でやっていませんでしたが、マーケティングの意識がなくブログを始めるのも同じ事です。
例えばクラウド会計を使っているお客様に仕事を依頼いただきたいのに、連結納税を解説したブログ書いててもダメですよね。

法人のクライアントが欲しいのに、個人の確定申告の記事ばかりを書いてもダメです。
こういうのを四字熟語で、縁木求魚(えんぼくきゅうぎょ) 木に縁(よ)りて魚を求む

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といって、目的と手段を間違ってはいけないという意味なのですが、マーケティングの意識を持ち、まず目的を明確にしてからホームページなりブログなりの手段を遂行する必要があるのです。

マーケティングは【意識】さえあれば良い

独立開業したらマーケティングが大事だよ!こういうと、士業を対象としたマーケティングを教えてくれることを謳い文句にしたなんとか塾とか、なんとか総合研究所とかの類に入門する方がいます。
自分は、この手のマーケティングを教えてくれるところは、大いに活用したほうが良いと思っています。
ただ、個人的には独立してすぐではないと思います。
独立してすぐは、本屋で売っているマーケティングの本を2、3冊買って、読んでみる。
そして、面白い読み物としてマーケティングが勉強できるアナーキーマーケティングを読んでみてください。

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アナーキーマーケティングは最近は更新がされてないですが、アーカイブを読めば大変勉強になります。

はっきり言ってこれで十分です。数冊の本とアナーキーマーケティングで、解説されている共通点を探ればそれが本質なのです。

繰り返しになりますが、マーケティングの本質は【どんなサービスだったら】【誰だったら】【いくらなら】
考えるものなのです。

で、マーケティングを教えてくれるなんとか塾やなんとか総合研究所は、そういう根本的な考え方とそれを実践して成功した事例を紹介してくれるわけです。
でも、考えてみてくださいね。本質のところだけ理解できたら、あとは成功事例をいくら聞いてもあまり意味はないのです。
これ、料理で例えるなら、マーケティングとは調理法や調理道具。
恋愛で例えるなら、東京ウォーカーです。

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たくさんの具材があるなら、調理法も調理道具もいろいろな種類があったら方が良いけれど、一つしか素材がないなら、まな板と包丁と塩胡椒があればとりあえず事は足ります。
初めての彼女とのデートなら、東京ウォーカーで王道のデートスポットに行けばいいのです。
隠れ家スポットに行くのは、恋愛経験も豊富になってからで良いのだからそもそも知る必要すらない。

勘違いしてはいけないのは、調理法や調理道具をいくら揃えても美味しい料理が作れるわけではなく、東京ウォーカーに掲載しているデートスポットを隅から隅まで知っていても恋愛の達人にはなれないのです。

マーケティングも本質を知ることはとても大事

しかし、マーケティングの成功事例を紹介されて自分が吸収できるようになるには、自分自身が実践してみないと何も始まらないということなのです。

マーケティングを例えたときに、調理道具であり東京ウォーカーだとするなら、料理にまず必要なのは素材であり、東京ウォーカーでデートするためには恋人が必要だと気がつきます。
マーケティングの素材とは税理士で言えば会計税務の知識やサービスであり、恋人はお客様。マーケティングの本質を理解したら、あとは自分で実践して検証して試行錯誤を繰り返すしかないのです。

まず独立したら最低限のマーケティングは学べ!しかしマーケティングの本を読み漁っただけで実践が伴わない机上の知識だけの

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とは言っておきます。