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freeeの所得税申告書作成機能がすごかった件

個人の確定申告が一段落しました。(まだ、還付申告などで期限後申告の方は残っていますが)
今年も廣升健生税理士事務所では変わらず、自分自身がお客様とのチャットやメールのやり取りから、申告の着地点まで対応していました。
また、今回は対応出来るリソースに鑑みて新規の受付をストップしていた事もあり、お客様の窓口や決算書や申告書のチェックだけでなく、資料の整理や帳簿作成に申告書の作成までいわゆるプレイングマネージャー的な感じでした。
そんな中、久しぶりにfreeeをガッツリ使ったら申告書の作成機能がすごかったのでそんな話を少々。

会計ソフトなのに申告機能が素晴らしかった

freeeの機能で一番感動したのが、所得税申告書の作成機能です。
去年も一昨年も、機能自体はありましたが、住宅ローン控除の計算や、株の売買があった場合の分離課税の別表、事業所得に赤字(純損失)が発生した場合の別表など事業所得(又は不動産所得)以外のイレギュラーな所得が発生した場合の、申告書の作成は一応作ることは可能でも結論を手入力したり、そもそも別表自体が出すことが出来なかったりでした。
ただ、これは会計税務関連のソフトウェアでは仕方のないことで、そもそも、会計ソフトと申告ソフトは別の場合が普通です。
freeeはクラウド会計ソフトです。MFクラウド会計も会計ソフトです。申告ソフトではないのです。
なぜ、会計ソフトと申告ソフトが別れているのかといえば、申告ソフトは毎年税制改正などで税率やそもそも税金の計算方法などが頻繁に変わるため、日々メンテナンスが必要なのです。
なので、申告ソフトとして独立してソフトウェアになっている場合がほとんどなのです。
これ税理士試験に例えるなら、会計ソフトは簿記論で、申告ソフトは法人税法であり所得税法みたいなものです。
大原簿記学校の講師時代には、毎年12月の上旬頃に出される税制改正大綱(たいこう)に受験用の教材を対応させるために、教材をかなり作り変える必要があるのです。
例えば、法人税の税率が変わるなんて改正があれば、教材はほぼ全て数字の変更が起きるわけで、当時は『簿記論は、毎年の改正は少ないから良いよなぁ〜』なんてよく愚痴っていました。
話を戻して、ちなみにうちの事務所では会計ソフトはクラウド会計ソフトだけを使用していますが、申告ソフトはNTTデータの達人シリーズを使って申告書を作成しているのです。
前ふりが長くなりましたが、freeeはこの申告機能の充実がすごかったです。
結論から言うと、今年の個人の確定申告書(所得税、消費税)は全てfreeeで作りました。(各種届出書や税務代理権限証書などの添付書類は除く)
また、単純に作れるだけでなく、非常にユーザーインターフェースなどが使いやすかったです。

まず、専門家でなくても作れるように配慮されていて各種の所得控除を記入するにしても、【社会保険料控除】の記載欄が用意されているだけなら、専門家であればわかりますが、専門家でなければ、そもそも社会保険料控除の対象になる支払いが何かがわからない事が多いわけで、【国民健康保険に加入していますか?】【その他の社会保険料は支払っていますか?】という質問に答えれば、自動で登録がされます。

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旧来の申告ソフトにありがちな、

画面上に見えている申告書のそこの数字を入れたいために、どこに数字を入力すればいいの?

みたいな事は皆無で非常に直感的に操作ができました。

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例えば、株式の売却損益の特定口座(源泉徴収あり)の場合のインターフェースはこんな感じです。

このUIなんという優しさでしょうか

kabu
なので、別のクラウド会計ソフトでから申告書を作る場合今までは、申告ソフトである達人シリーズの所得税や消費税で作っていたのですが、今年は他のクラウド会計ソフトで作った会計帳簿を、freeeにインポートしてfreeeで申告書を作ったくらいです。

クラウド申告freeeにはダメ出ししたけれど

思えば、去年(2017年)6月に、法人税申告に対応したクラウド申告freeeには、ダメ出しとエールという記事を書きましたが、今回の個人の申告書作成機能があまりに秀逸だったので、この記事はクローズさせてもらいました。

クラウド申告freeeは、その後は大きな不具合もなく使えているというのもクローズした大きな理由ではありますが、個人の確定申告って年に1回の事ですし、前述の通り会計ソフトの位置付けだと、申告機能はあくまでおまけ的な機能なわけです。

中華料理屋のランチでサービスでついてくるデザートの杏仁豆腐みたいなものなわけです。
普通その杏仁豆腐はそんな美味しくない場合が殆どなわけですが、その杏仁豆腐がめっちゃ美味しかったわけです。
サービスで出した杏仁豆腐がこんなに美味しいなら、他ももちろん美味しいよね的な理由です。

赤坂にある、四川小吃 雲辣坊 (シセンシャオチー ウンラーファン)旧店名 同源楼(どうげんろう)のランチについてくる杏仁豆腐はサービスでついてくるのにプリプリで絶品です。

annin

freeeの申告機能は、杏仁豆腐ばりに秀逸だったという話でした。

プロダクトは細部に宿る