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人工知能時代に生き残るには○○しないこと
人工知能時代に、自分の仕事がなくなってしまうのではないか?そう不安に感じる方は少なくないと思います。
対して、テクノロジーが発達すれば、むしろ自分の力を最大限に活用できるとポジティブに考えている人も多いはずです。
かく言う自分はというと、サラリーマン税理士時代や2013年に独立した当初は前者的思考でしたが、事務所でクラウド会計を本格的に使ってサービスを提供をはじめた2014年後半位からは少しずつ後者になっています。
そのマインドチェンジの要因を一言で言い表すとすれば、
今回のテーマ【依存】です。
人工知能時代は様々なことに依存するから不安になり、依存から脱却できれば逆に大きなチャンスになると考えています。
クライアント(売上)に依存しない
最近、独立開業する個人事業主の方の確定申告のお手伝いをする事が多いです。
仕事柄、個人事業主の方の財務諸表(損益計算書、貸借対照表など)を見させていただくと、多くの方に感じるのが、特定のクライアントへの売上の依存度が高いなということです。
クライアントが一社のみというケースも少なくありません。
これは、元々サラリーマンとして組織に属していて、その組織から独立開業という流れが多いのですが、この依存は危険です。
こういう場合は、毎月の報酬は一般的なサラリーマンの給与よりは高く設定されているケースがほとんどですが、属していた組織一社に売上を依存しているということは、突然仕事をいただけなくなって明日売上が0になることも考えなくてはいけません。
そんな事態を避けるためにも、新規クライアントを増やしていく努力をしていかなければいけません。
業務スキルに依存しない
特定のクライアントに依存しないために、やるべきこととしては、業務スキルの幅を増やすことです。
ただ、難しく考える必要はなく、新規クライアントを開拓して仕事をすると、必然的に今までやったことの業務や手順などの幅が増えます。
逆の言い方をすると、例えば税理士の業界だと会計税務の業務スキルから派生する労務の仕事もするために、社会保険労務士の勉強して業務スキルの幅を増やそうとする方がいます。
もちろん、勉強して労務の知識があるに越したことはないですが、メインとなる業務スキルを新たに仕込もうとするといかんせん時間がかかります。
個人的には、業務スキルの依存からの脱却とは、今仕事をしているメインの業務スキル(自分の場合は会計税務)を更に磨くことと既にあるスキルや、新しく身につけたスキルを少しずつかけ合わせていくイメージを持っています。
廣升健生税理士事務所の取り組み
今回のテーマは依存です。廣升健生税理士事務所でも、なるべく様々な事に依存をしないように心がけています。
というのは、税理士の仕事の特性上経営方針や今後の事業の展望などをアドバイスする立場にあります。
そんな税理士が売上を一社に頼って依存してはダメです。同じ業務ばかりこなしていては、やがて人工知能に取って代わられてしまいますよ!
とアドバイスした時に
と言える自分でありたいと思っているのです。
自分がクライアントだったとして、アドバイスする税理士自身が実践してもいない事に聞く耳持たないと思います。
この話は、以前書いた税理士試験の講師をどんな基準で選ぶのかの話でも書いている事と共通していて、自分が経験していない事や実践していない事を話ししてもやはり説得力がない。
説得力がないならアドバイスなんてするべきではないのです。
前段が長くなってしまいましたが、廣升健生税理士事務所の取り組みを紹介します。
売上
クライアント数は個人法人合わせてのべ250程度(スポットでの業務や少額であっても報酬を頂いた方で、継続した顧問などではありません)で、毎月新規顧客を3-5件程度増やしています。
税理士事務所の特性上顧問契約で毎月業務を行うクライアントはもちろん、1年に1度は確定申告がありますので、年に1度のみ依頼いただけるクライアント様もいます。
また、各いただく報酬も殆どは年間数万~40万程度。一番大きな売上でも、100万程度と依存を最小限にしています。
業務スキル
自分は税理士なので、業務スキルは会計や税務の専門知識となります。
ただし、人工知能時代にはこの専門知識の価値が相対的に低下して行くのは自明の理といえます。
だからといって、明日からプロ野球選手になることも出来ませんし、医者になることも出来ません。
そのため、すでに述べた通り、今持ちうる専門知識のブラッシュアップと、今持ちうるスキルを組み合わせることで業務スキルの多角化を図っています。
具体的には、まず既にあるスキルの掛け合わせとしては画像編集のスキル(adobe photoshop)、動画の編集スキル(adobe premire)です。
これは、元々趣味ではじめたスキルです。なので、スキルと言っても【出来ない人よりは出来る程度】の基本的なものしかありませんが、かなり貢献度は高いです。
そして、話すスキル
セミナーや動画で話をするスキルは、20代に税理士試験の受験予備校で3年間講師をしていたスキルが役になっています。
また、今まで最近は新たに経験をしてスキルを上げる努力をしているのが、書籍出版のための編集です。
2014年は【会社の経理を全自動化する本】を執筆しましたが、編集は出版社の編集者が行いましたが、2016年にamazonの電子書籍で出版した【パン屋が税理士になる方法】は自身で編集をしました。
もちろん、まだ一度経験をした程度の事は胸を張ってスキルと言えるほどのものでありません。ただ一歩一歩新しい事にチャレンジしていく姿勢が必要なのだと考えています。
その他の依存からの脱却
その他にも、依存しない取り組みをしています。
顧客紹介サービスの依存
会計税務業界は、営業が苦手な税理士のために顧客紹介サービスなるものがあります。身近にイメージしやすいのは、顧客ではないですが、人材紹介サービスや結婚紹介サービスと同じで、人と人のマッチングサービスです。
紹介してもらった税理士が紹介会社に手数料を払うのですが、これが年間報酬の40-50%程度とバカ高い。webサイトなどを通じて集客できるので一切使っていません。
Google AdWordsなど広告への依存
webサイトでの集客ができるので、Google AdWordsなどの広告費はかなり限定的です。(月1-3万程度)
ただし、一定のコストをかけて広告する必要性は感じているので、依存することなく有効に使っていきたいと思っています。
モノ、場所への依存
これは、いわゆるノマドワーカーですね。自分は、完全にノマド税理士です。
お客様の資料は、お客様ご自身のアカウントのGoogle driveにアップしてもらうので、オフラインでパソコンに保存することなくモノへの依存をしません。そして紙資料もなし。会計帳簿はクラウド会計。やりとりは、チャットワークかSkypeか電話。
そうすると、必然的に事務所で仕事をする必然性が相対的に薄れ、場所への依存しません。
実際には、事務所には4面のディスプレイなど、仕事環境が整っているのでメインは事務所で業務を行っていますが、この文章もそうですが、執筆系の業務や新たな業務アイデアを考えるときなどは、頻繁にノマド税理士をしています。
人への依存
人工知能時代のサバイバル仕事術のテーマは【振り力】ですが、業務一式全てを振ることはありません。
業務を丸投げすれば、一見楽ですが、いざという時に制御不能になるからです。
本業の会計税務業務はもちろんですが、例えば小さいことですがブログに使用する、イラストであってもラフ画は自分で書きます。
依存からの脱却の第一歩は暇を買う事
特定のクライアントへの売上の依存から脱却しましょう、業務スキルを多角化をしましょう!というアドバイスをすると決まって
という気のない言葉が返ってきます。
それはとてもわかるのです。例えば新規のクライアントを開拓するなら、何かしらの営業活動をする必要がありますし、業務スキルを掛け合わせようとしてもある程度の準備も実践も必要です。
つまり時間が必要なのです。しかし、特定のクライアントへ依存していればいるほど根本的に時間がないのです。
なぜなら、自分が仕事を丸抱えしているから。
だからそんな方にあえて言いたい
暇を買うとは、仕事を振って時間を作ることです。
ただ、なぜ【暇を買う】という表現をしたのかというと、当然といえば当然ですが、人に仕事を振るという事は
【その仕事をしていただく対価を払う】ということです。
新しいことをするには時間がかかる。その時間を捻出するためにはコストがかかるのです。
なので、目の前の利益は必ず減ります。
目の前の利益を減らしてでも、暇(時間)を作って依存からの脱却を図るのかそうでないのかは目の前の数年の話ではなく、5~10年位の中長期的な視野で見た時に大きな違いになってくるはずです。
そして、10年後に振り返った時に、大きな大きな他との差別化できるスキルでありノウハウになるのは、暇を買うために培った【振り力】なのです。