受験専念組が『仕事をしながら受験組』にスイッチするタイミング
税理士試験を受験専念で終わらせる事ができる人は意外に少ない。多くの場合は、受験専念を1〜3年。そこで、必須の会計科目や税法科目を合格し、その後仕事をしながら受験組になり、残りの科目を合格するというのが、税理士試験の合格プランとしては一番オーソドックス。
自分も受験専念2年で簿記論、財務諸表論、法人税法を合格して、その後大原簿記学校の講師として仕事をしながら消費税税法と固定資産税に合格した。もちろん、最短の青写真は2年で五科目合格したかったが、想定するベターな範囲内の成果ということだった。
自分は幸いにも、受験専念の二年間で主要科目が合格できたので、青写真通りの受験専念から仕事しながら受験組へのスイッチに成功したが、難しいのが予定通り合格科目が揃わなかった時に、就職する方がいいのか否かの選択だ。
自分はこの話は声を大にしていいたいが、自分自身の経済環境、一番身の回りにいる家族の理解があるなら、必須の税法科目(実務を考えれば実質的に法人税法になる)を合格するまでは、就職せずに受験専念をしたほうが良い。たとえ周りの受験生が早々と就職しようが、学生時代からの友人にニートだなんだとバカにされようが、何だろうが、だ。
もちろん、仕事をしながらの受験で法人税法を合格する人はいるし、実務を積みながらの勉強であれば、実務によって法人税を学べることもあるだろう。しかし就職せずに勉強したほうがよい。理由はまず、受験専念で始める受験生の大半は、法人税法に受かるまで受験専念の予定なはずだ。
しかし、そのプランが狂ってやむにやまれずに就職することを検討する。ということは、当初に描いた合格科目の青写真が狂っている。具体的には、会計の必須科目である簿記論、財務諸表に手こずって場合が多い。
経験から言わせてもらえば、簿財で手こずる受験生は、法人税法はもっと手こずる。当たり前だ。簿財より勉強するボリュームも多いし、毎年合格を逃しているが実力のある猛者たちが法人税法合格を目指しているからだ。
仕事をしながら法人税法を合格する人は、殆どが仕事をしながら簿記論も財務諸表も合格している。要するに、仕事をして合格する人は、受験専念で簿財に苦しんでいる受験生よりも勉強能力が高いのだ。受験生の勉強できる環境はそれぞれだ。経済的に絶対就職しなければ貯金が底をつくなら仕方ないが、多くの受験生は親に土下座でもすれば、あと一年くらいスネをかじらせもらえる環境だったりする。
でも、周りの声が気になって、あるいは自分のプライドを保つために就職する。受験専念の予定があと一年伸びたらそれでも勉強し、リミットを決めるのがよい。もし自分で決めた年度で法人税法が受からなかったら、スパッと税理士試験から身を引く。
簿財だけの合格で仕事をしながら法人税法の合格を目指す。でも合格しない。合格しない理由は仕事をしながらだからなのか、自分の能力が足りないのかわからなくなる。わからないまま合格できない受験勉強を継続するのは、人生の無駄遣いだと自分は考える。
⇒次は受験専念組が仕事をしながら受験組になった時の落とし穴という話です