クラウド時代の情報共有!ヒアリングシートフォルダ階層

筆者の事務所では、顧問先ごとに事務所で共有するヒアリングシートとそのヒアリングシートに対応させた該当フォルダをセットで運用しています。今回は、その運用方法を紹介します。

ヒアリングシートというのは、確定申告や新規の顧問契約時などに、顧問先の情報や必要項目を記録しているシートです。法人の確定申告の際に、実際に使用している基本のヒアリングシートはこちらです。

顧問先には、Googleドライブでヒアリングシートを共有し、業務開始時に必ず入力してもらうようにしています。そして、ヒアリングシートに付した番号に該当するフォルダを用意し、資料を格納していただくように促します。
このヒアリングシートと該当フォルダをセットにすることで、その後資料を格納したかどうかを確認する際に、次のような発想でチェックを行うことが可能になるのです。

ヒアリングシートに「YES」と書いてあれば資料がある。「NO」とあれば資料はないという共通認識です。ですが、「YES」と書いてあるのに資料がない、あるいは「NO」とあるのに資料が格納されている場合には、なぜ資料があるのかなど、質問していきます。

発想の転換
この運用には、クラウドならではの発想の転換が必要です。それは、顧問先から資料を預かる際に、顧問先に直接資料を格納してもらうということです。顧問先が直接フォルダにアクセスできるのは、Googleドライブを共有したからこそ。この運用方法を踏襲することで、次のメリットが生じます。

(1)資料確認の属人性の排除
一般的に、顧問先から資料を預かる場合には、会計事務所の職員が資料一式を預かり、資料を分類します。そして、不足資料があれば再度資料を催促します。このようなやりとりだと、その担当者が顧問先の癖、例えば明細はなかなか揃えられない、資料の提出がいつも遅れ気味などを把握することとなり、その担当者に頼らざるを得なくなります。
一方、顧問先が直接資料を格納する方法をとると、ヒアリングシートの回答と該当フォルダを見て、資料の有無を確認するだけですので、誰もが機械的にチェックすることができます。また、クラウド上でチェックできるため、事務所以外の場所からもアクセスすることができ、属人性を排除することが可能になるのです。

(2)リスクヘッジ
この仕組みは、顧問先との間で資料を預かったか預かっていないか、言ったか言わないかの水かけ論を防ぐことにも有効です。そこで、顧問先がヒアリングシートに記入する際には、必ずお願いしていることがあります。それは、判断に迷う収入や支出があった場合などは、必ずシートの記入の際に机上に情報を上げていただくということです。
また、ヒアリングシートにて「NO」と意思表示をしてもらったものについては、事務所でもノータッチである旨はご理解いただいています。つまり、このヒアリングシートと資料格納をセットにし可視化することで、のちのち発生する可能性がある、言った言わない、資料を渡した渡していないなどのトラブルを未然に防止しているのです。

理想は理想、現実は現実
ちなみに、顧問先が全てこの仕組みで運用できているわけではありません。資料をGoogleドライブ上に直接格納いただけるよう、レクチャーを行いますが、要望はさまざまです。資料を分類して格納するのは面倒だ、前の会計事務所でやってもらっていたように紙の資料をガサッと郵送するので資料の整理から全てやってほしい、請求書や各種資料はデジタルデータがあるのでGoogleドライブに格納するが、紙の領収書は事務所に送りたい……。そうした要望は、こちらの業務の手間と報酬の兼ね合いで納得いただければ全て受けるようにしています。
その代わり、紙の資料の送付や事務所で資料の整理をするなど、事務所での手間が発生する余地が大きくなればなるほど報酬が上がっていきます。そのため、このヒアリングシートと該当フォルダのセットの運用方法が、事務所のサービスについての報酬の一つの標準となっているのです。

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