中小企業の生産性向上の鍵は【スマホの左手片手打ち】にあり

スマホで業務を進めるということを試行錯誤してきた
第2章【コミュニケーションのクラウド化】の最後は、スマートフォンでのテキスト入力についてです。
筆者は、スマホでのテキスト入力に、相当な情熱を注いでいます。
実は、本書の原稿はもともと13万文字程度ありましたが、その8割程度はスマホで原稿を書きました。
スマホをお使いの方は多いと思いますが、ビジネスの場面においてはスマホでは要件のみを回答し、長文になる場合は事務所に戻ってキーボードで打つとというのが一般的ではないでしょうか。しかし、電車の中で、あるいは打ち合わせまでのカフェの中で、スマホを単なるネットサーフィンやSNSの閲覧に終わらせるのは非常にもったいないことです。なぜならビジネスは常に動いているからです。

筆者は、いかにスマホで業務を円滑に進めるのかということを常々考え、試行錯誤しています。スマホでどう入力すれば効率がよいのか。端末はiPhoneが良いのかAndroidか。はたまた大きさは小型か大型か……。ここ数年で、様々な端末を購入しては、実験を繰り返してきました。そうしたプロセスを経てきた筆者のこだわりについて、紹介させていただきます。

左手片手打ちにこだわる理由
大前提として、筆者はフリック入力、かつ左手の片手打ちにこだわっています。利き手は右手ですが、あえて左手で片手打ちしています。これは、税理士試験で電卓を打つのと同じ発想です。筆者は、受験生時代、左手で電卓を打っていました。理由は、利き手である右手は答案を書くために使う。そして、空いている左手を電卓に使います。これによって、ペンと電卓を持ち変える時間を短縮することができます。スマホの入力も同じように、左で片手打ちができるようになれば、利き手が空きます。
利き手が空けば、荷物を持ちながら、コーヒーを飲みながら、別の資料を確認しながらテキストのアウトプットが可能になるわけです。そんな思いから、いかに左手で片手打ちをつづけてきました。

2つのスマホリングでホールド感アップ
左手のみでテキスト入力するために、筆者がたどり着いたのが、スマホリングを2つ使用するということです。具体的には下記の位置にスマホリングを貼り付けることで、左手親指の可動域が非常に広くなるのです。それまでスマホリングを付けていない場合、あるいはスマホリングをひとつしかつけていない場合には、テキストを入力するために、他の指でスマホをホールドする必要がありました。
スマホをホールドすると、結果として親指の可動域が狭くなり、小型のスマホを使用するか右手を使って操作しないといけなくなります。そのため、それまで筆者は片手でテキストを入力する事が目的でiPhone SEなど小型のスマホを使っていましたが、2つのスマホリングを付けることで使用するスマホは大型化し、筆者は現在スマホの中でも最大級の大きさ、重さGalaxyNOTE8(Samsung) を使用するようになったのです。

日本語入力アプリの比較
次に論点となるのが、スマホでの日本語入力アプリ(日本語IME)です。これまで、スマホは数年ごとにIOS(iPhone)とAndroid機を乗り換えていました。そうして結果的に、これから紹介する日本語入力アプリの差が決め手でAndroid機に落ち着きました。
ではどのような理由で日本語入力アプリを決定したのか、下記の比較表でご紹介します。

操作性
画面をタッチした時のキビキビとした機動性、言葉ではなかなかうまく表現できない触り心地の柔らかなカーソル移動など、細かい操作性は断然にIOSの標準の日本語IME(以下[IOS標準IME])が優れていると感じています。
そのため、短い文章しか打たないという使い方であればこの操作性の良さという理由だけで標準IMEを使うのはありだと思います。他のIMEの操作感はIOS標準IMEに比べればやや硬さがあるものの、どれも操作性は合格点ですが唯一IOSのATOKは多少テキストの入力速度に追いつかず反応が鈍い事が残念です。

オリジナルスキン
現在使用しているAndroid機では、下記のオリジナルの画像を使っています。オリジナルの画像については、それぞれ変更が可能なアプリと変更できないアプリがあります。
では、なぜこのような画像を使っているのか。物理キーボードや電卓でも同じ話ですが、キータッチの打ちやすさはもちろん、タイプしたときの誤打ちがあるかないかも非常に大事だからです。せっかく早くタイピングができたとしても、間違った文字や数字なら、結局は修正するのに手間がかかってしまいます。いかに誤打ちを少なくするかというのが、端末選択の条件であり、ビジネスで使う上で最適化したいことのひとつです。そこで考えたのが、このデザインです。デフォルトで表示される「あかさたな」というカナ文字をあえて見えなくし、文字の代わりに黒点を配置しています。標準搭載のキーボード配列は、このように各ボタンが線で区切られています。この状態では、誤打ちが多くなると考えました。実際のキーボードや電卓は物理キーですから、感覚でどこのどの配列のキー打っているのかがわかります。対して、スマホは画面をタッチしても手触りで認識することはできません。
そうすると、スマホで文字入力をする場合、完全にキーボードから目を離してブラインドタッチをすることはできません。常にスマホの画面を見ながら打つことが前提になるわけです。
その際に、区切り線の中の範囲を押すのではなく、中心点を基準にして押せば誤打ちは減るのではないかと考えました。そうしてやってみたところ、効果はてき面で誤打ちはほとんどなくなりました。この誤打ちを減らすためにオリジナル画像への変更を条件とすると、変更不可のIOS標準IMEとATOKは選択肢から外れました。

文節変換
最初に、文節変換とは何かを説明します。文節変換とは、長文のかなを入力した時に、一つ一つの単語や文節ごとに漢字やカナに変換する機能です。
この機能も、短い文章しか打たないと言う方であれば大して気にならない機能ですが、長文のテキストを打とうと思うと非常に重要な要素です。

ちなみに、文節変換に全く対応してない「Simeji」は「☓」。ISO標準IMEは、入力中の文字列にカーソルを指で調整する必要があり、実用的ではないため「▲」。gboradiOS版は文節変換は可能ですが、カーソルの移動変更ができません。そうして、文節変換についてはiOSであればATOKが最も優れています。またandroidであればATOKとGoogle日本語入力が対応しています。

辞書登録機能
辞書登録で重視するのが、外部で作った辞書を一括でインポートする事ができるかどうか、そしてインポートしやすいのかどうかです。その判断基準で評価すると、AndroidのGoogle日本語入力は非常に簡単です。2列のCSVを登録するだけで辞書の一括登録ができます。対して、他のアプリは総じて使いにくいと感じます。

入力時のポップアップ
これは完全に好みの話になりますが、もともとは標準IMEの大きく吹き出すのが好きでした。ただ今はGoogle日本語入力のこのさりげなくでる形が好きになりました。ちなみにATOKの上にポップアップが出るのは、個人的には苦手です。

AndroidのGoogle日本語入力が最強
筆者の独断と偏見による比較表によると、iOSの日本語入力ソフトはどこかの機能があとあと一歩足りないのがわかります。対してAndroid版のGoogle日本語入力は、操作性こそiOS標準IMEに及ばないものの、他の機能で高い水準なのです。
筆者の日本語IMEの変遷としてはiPhoneでiOS標準IMEから文節変換が優れているATOKに行くも、反応が鈍いのでGoogle日本語入力へと移行しました。Simejiは、文節変換がでないので、その時点で対象外です。
そして最後にポップアップの好みと辞書登録のしやすさで、Google日本語入力を採用することになりました。

仕事もスマホファーストの時代へ
これまで多くのページを割き、スマホの左手片手打ちについて説明しました。なぜここまでこの話を深く掘り下げたかというと、これからの時代は、さらにモバイルによるテキストのアウトプットの重要性が増すからなのです。
事務所をクラウド化すると、多人数かつ多空間で同時に業務を遂行することが可能になります。その結果、常にリアルタイムの情報伝達が必要になる局面が増えてくるわけですが、これがスマホではテキストが打ちにくいから長文はキーボードがある事務所に戻り腰を据えてからとなっていては、業務が止まってしまうのです。
現在のビジネススタイルでは、まだスマホでできることは限られています。しかし、これからさらに機能開発が進み、仕事で活用する場面も増えてくるのは必至です。そのため、その未来に備えてできるだけスマホでテキストのアウトプットをしているのです。

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