中小企業におけるワンクリックオペレーションの留意点

ワンクリックオペレーションとは
「ワンクリックオペレーション」とは、チャットワークでのテキストのやり取りをフロー、グーグルドライブをストックと見立て、目的地のURLを直接貼ることで情報伝達を効率化する方法です。
ただ、しっかりと運用をしないと、目的地のリンクは貼ったけれども相手がそのリンクを見てくれない、あるいはリンクをクリックしたけれども、複数の資料のうちどの資料を見ればよいのか分からないという行き違いも生じます。これでは、本来の目的である情報伝達の効率化は果たされません。そのため、本項では、ワンクリックオペレーションを行う際の留意点を紹介させていただきます。

クリックしてもらう工夫をする
ワンクリックオペレーションで大切なのは、何より、リンクの先にあるファイルやデータにクリックしてもらうことです。したがって、もっとも大切なのは、クリックしてもらうにはどうしたら良いのかを考えてチャットを送ることです。

例えば下記のような連絡があったとします。

●●社の月次の会計帳簿を作成しましたのでチェックをお願いします
http://googledrive.XXXXXXXXXXXXXXXXXXX

これでもクリックはしてもらえるかもしれません。しかし、この案件が重要で緊急度が高ければ、相手にその旨を強調しなければなりません。

●●社の月次の会計帳簿を作成しましたのでチェックをお願いします。
【留意点】
・売掛金の金額が通常よりも大きく増加していますので、内容のチェックを重点的にお願いします。
・預金残高が大きく減っていますが、●月●日に現金での引き落としが理由です。内容を確認してください。

このように、グーグルドライブにまとめた申し送り事項のうち、重要性の高いものをチャットワークに書き出します。これによって、「早く対応しなければならない」という気持ちを煽り、クリックしていただく確率が高くなります。
第1章の【ワンクリックオペレーションのフローとストックの考え方】でも解説しましたが、蓄積していきたい情報はGoogleドライブにストックするという原則は守りつつ、クリックをしてもらうために、Googleドライブの情報のうち重要な情報などはチャットワークに書き出すことで、情報の伝達漏れを防ぎます。

ワンクリックしたら該当の内容があるように
例えば、スプレッドシートで情報管理をしている場合に、質問事項や留意点など、新規に行や列を追加していくと、新しい情報ほど下の行にアップデートされていきます。しかしながら、画面を開くと1列目・1行目が優先的に表示されるため、常にスクロールして最新の情報を探していかなければなりません。
これだと、クリックした相手はどの資料が最新の質問事項などかがわかりません。そこで、情報の送り手が工夫していかなければなりません。
筆者の事務所では、新規の留意点などを新たに追加する際には、ワンクリックして画面を開いた際に、スクロールせずとも見えるよう、行や列を挿入して追加しています。つまり、最新の情報ほど上に表示させるようしています。
こうすることで、ワンクリックした際に、常に新規の内容が確認できます。また、仕様上、そのような対応ができない場合には、「新規で追加したところには、ブルーの色をつけておきました」と伝えることで、お互いの認識ミスが少なくなるように配慮しています。

リンクの留意点
Googleドライブのリンクを貼って情報を共有する場合には、大きく分けて2つの方法があります。
(1)Googleオフィスのシート(スプレッドシートや、ドキュメント、スライドなど)を直接共有する場合
(2)該当するフォルダを共有する場合
この際に留意したいのが、例えばフォルダの中に格納している画像やPDFについては、直接リンクで共有することができないということです。
例えばこの様な連絡事項があったとします。

申し起こり事項です

試算表のPDFを格納したフォルダです。

今回は不動産売買契約書のPDFです。

この場合、作成者はPDFの見えるURLを直接張っているつもりですが、実際にクリックしてみるとそのPDFが格納されているフォルダが表示されるのです。
この特性を踏まえると例えば一つのフォルダに複数の画像データなどが入っていると、クリックした先のどの資料を見れば良いのかがわからなくなってしまいますので、その点を留意したフォルダ構造を考える必要があるのです。

今回は、ワンクリックオペレーションの留意点と題しての解説でした。
前提として、相手への配慮が必要です。クリックをしてもらうにはどういう工夫が必要なのか、そしてクリックしてもらった際に、情報をどうお互いが間違いのないように伝達するか。そのことを意識して使っていくことが大切です。
ノウハウをストック化するという発想は、税理士試験のミスノートを作るようだと例えました。そのように、ここで紹介したような内容は日々の計算問題でのケアレスミスの予防方法を考える発想と同様だと感じています。
文字に起こしてみれば些細なことであり、軽んじてしまうようなこともあるでしょう。しかし、小さな理解を積み上げていくことが合格への近道であるのと同じで、情報伝達を丁寧に積み重ねていくことが、精度の高い
仕事や相手への信頼につながるのだと信じています。

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