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税理士試験受験予備校大原かTAC以外の選択肢がない理由
税理士試験の受験予備校は寡占状態
税理士試験の受験予備校をどうするかの結論はとても簡単で、実質的には資格の大原(大原簿記学校)かTAC(タック)しかない。インターネットで検索すれば、『格安』や『非常識』な勉強方法を謳った専門学校も税理士試験の受験対策講座を開設しているが、悪いことは言わないので、やめておいたほうが良い。
理由は何と言ってもスケールメリット。まず資格の大原のパンフレットで公表されている税理士試験の合格占有率。
平成26年の税理士試験合格者(官報合格者)が910名で資格の大原の合格者が554名で合格占有率は60.8%
そして、TACの合格者は310名で合格占有率は34%。資格の大原とTACの合格者を合計すれば864名で合計の合格占有率は94.9%ということになり、ほぼこの2つの専門学校の寡占状態である。
専門学校が寡占化する理由
自分自身は、資格の大原にもTACにも通い、大原で税法3科目、TACで会計科目を合格したが、やはりこの2つの受験予備校に通ってよかったと思っている。税理士試験の前に簿記検定を勉強していた時は、今は出版のみを行っているDという簿記検定の専門学校で勉強していた。その専門学校でも税理士試験講座が開設されていたが、受験生もまばらでとても受かりそうにない感じがしていた。話を戻して、なぜ税理士試験の受験予備校が寡占化するのかというと、小手先の教材やカリキュラムで合格する類の資格試験ではないというのが大きい。
例えば、会計系の資格試験でも簿記3級2級くらいまでの講座は、生涯学習のユーキャンでも開設している。
簿記3級であれば、テキストをひと通り勉強して自分自身が適切な努力をすればまず合格できる。ユーキャンの資格試験は、勉強していない自分が勉強すれば受かる資格。つまり自分の努力に起因し、やらなければもちろんダメだが、やれば基本的は成果が出る。
対して、税理士試験はどんなに勉強をしても適切な教材とカリキュラムがなければ合格しない。資格の大原とTAC(タック)には長年培ってきたノウハウと、蓄積しブラッシュアップがされ続けてきた盤石の教材と、それを教える講師陣がいる。
この盤石の2校の牙城に割って入るのは容易ではないし、実質的には無理だ。
通信教育Fで税理士講座??
自分が2013年に税理士事務所を開業して間もない頃、まだろくに仕事もなかったため税理士試験の講師の経験を活かして、その類のアルバイトでもしようかと思い探していると、簿記検定や行政書士の通信教育を行っているFという学校が税理士試験の法人税法の講師を募集していた。一度文京区にある会社に面談に行くと、社長と話をした。詳しく話を聞いていくと税理士試験は1年後をめどに開設したいとしているのだが、教材は誰が作るのか?講師は?答練は?カリキュラムは?と聞くと基本的にはすべて、採用した1人で作るという。教材は1冊ごとに数十万の作成報酬を出すが、途中で挫折したら全額返金という。
税理士試験の教材を一人で作る…『それは、無理ですね』と答えると、その社長は『無理だと思うから無理なんだ』と言い返してきたが…では教材は一人で作るとして、直前期の答練はどうするのですか?税理士試験は毎年税制改正がありますから直前期の答練は毎年相当なスピードで作らないといけませんが、と言うと、
『基本ベースの教材だけ作り、答練は大原やTACなどの専門学校に行ってもらえばいい』と……
そんな専門学校に誰が通うんだよ!?と心のなかで叫びその面談を後にした。ちなみに、久しぶりにその通信教育Fを検索して見るとやはりと言うか税理士試験は開講されていなかった。そして、サイト内にある講師募集要項の募集分野にも税理士試験はなくなっていた…
まとめ
税理士試験に合格したければ実質的に資格の大原とTACしかない。長年培ってきた教材等は簡単に新規参入できるものではありません。