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【会計の世界史】と【会計事務所クラウド化マニュアル】の共通点
先日Amazonレビューを書きました。
それは
会計の世界史
この本は、2018年~2019年の年末年始に読みました。まだ【会計事務所クラウド化マニュアル】の執筆中だったのですが休憩がてらに読むかと気軽な気持ちで購入したのですが、あまりに面白すぎてあっという間に読破。
そして、この本は超絶すごい。凄すぎる。そして、次元が違う。
が、どう凄いのかを自分の中で言語化出来ずにいました。そして何度か言語化しようと取り組んでは挫折しを繰り返したのですが、ようやく言語化できた。
そうしたら、嬉しいことに、フェースブックで著者の田中靖浩先生から友達申請がキター♪
そして、田中先生がイベントを開催するとのことで、参加をさせていただいて記念撮影してもらいました。
ちゃっかりと自分の書籍の巨大パネルを持参し、そして会計の世界史の巨大パネルも自作しプレゼントしました。
田中先生とは、イベントの後の懇親会(お食事会?)で少しお話させていただいたのですが、自分のレビューに何を感じていただいたかというと、書籍の内容が面白かったという感想ではなく、執筆者目線の制作の意図などを分解してレビューしているのでどうしてその目線で書けるのかが不思議だったとの事でした。
それは自分も、近しい事を思考しながら、書籍【会計事務所クラウド化マニュアル】を執筆していたからなのです。
で、近しいことを思考しながら執筆していたからこそ、その凄さ、次元の違さに驚愕としたのです。
そんな話でブログのタイトル【【会計の世界史】と【会計事務所クラウド化マニュアル】の共通点】という話に入るのですが、その前にまずは、自分が書いた【会計の世界史】のAmazonレビューを転載しますので、読んでみてください。
会計×歴史】を扱った名著3つを読み比べて
自分は会計業界人(税理士)です。
趣味は四字熟語!と言うくらい中国古典や歴史が好きなんですが欧米の世界史についてはからきし。
そんな自分も自分のフィールドである会計を切り口にした世界史なら読みたい!!ーと言うのがありましてこのど直球のタイトル【会計の世界史】を拝読させてもらいました。
結論から言うとまぁ凄い!てか凄すぎる!全く別次元の本です。
何か凄いか何が別次元かは後述するとして自分はブログや動画などを作ってます。
そしてこの本と同じ経理アカウンティング部門に分類される書籍なんかも出版してるんで、自分なりには会計人にしてはアウトプット力(表現力)は高いと思っていたんですが、それがいかに【夜郎自大(やろうじだい)】だったかを思い知らされました。
その辺はまた後述するとして本題に入ります。
自分がこれまで読んだ中で会計×世界史を扱った書籍で特に名著だと思うものが3冊あります。
この本とあと2冊。
一つは【帳簿の世界史 ジェイコブ・ソール (著), 村井 章子 (翻訳)】
二つ目は【お金の流れでわかる世界の歴史 富、経済、権力……はこう「動いた」 大村 大次郎 (著) 】
三者(冊)三様に非常に面白いんですが会計×世界史
と一括にしてもわりと傾向が違うのでざっくり触れておきます。
まず【帳簿の世界史】は会計と言ってもタイトルの通り【帳簿】にフォーカスしてます。
簿記の起源や複式簿記がどのような経緯で発展してきたのか、それが日本にどう伝わったかなど時系列にそって丁寧に詳しく解説がされています。
自分は会計人なので非常に興味深く読みました。
ただ想定読者はあくまでも会計業界や経理担当者など簿記の基礎知識がある方が対象です。
もう一つの【お金の流れでわかる世界の歴史】は世界史に詳しくない読者でも名前とその事象くらいは知っている時代の大きな転換点の歴史を切り取りその歴史の背景にはお金があったのかなかったのか。
ではなぜあったのか、地理的な理由なのかきわどい事をして算段したのかなど
会計を、世界史と一緒に学ぼう!みたいに肩肘を張らず先人達もお金で苦労したんだなぁ位の興味本位で読んでも十分に楽しんでお釣りがくる。
そしてこの本【会計の世界史】
前述の二冊とまず異なるのは会計×世界史にもう一つ芸術や音楽などエンターテイメントを掛け算しているところ。
この話は他のレビューでも沢山触れられているので深くはしませんが、何か凄いってじゃそのエンターテイメントの要素を入れてどう話を展開していくかってストーリーの作り方が超絶なんです。
例えばレオナルドダビンチのルネッサンスの時代。お金の話っていうと『画家達にはお金を出してくれるパトロン達がいて〜。』て話になりまがちなんですがこの本は違う。
最初は誰でも知っている歴史の偉人たち(ダビンチや、ビートルズなど)のその人物の目線の物語から話がはじまるのです。つまり非常に主観的な目線から話がはじまる
ただ読み進めていくとそれぞれのエピソードを軸にして客観的な会計の話になっている。しかもそれは、ここから会計の話をします!ってことではなくてなんかいつの間にか会計の説明になっている。
そしてその会計の解説は押さえたい論点は押さえつつこれ以上突っ込むとそれなりの会計知識がないとついていけない、本当にギリギリのラインで解説されているのです。だから会計に携わってる者はもちろん面白いんですが会計を知らない方が読んでも非常に面白い!かつ勉強にもなる。
物語を読み進めているようで、会計の歴史も学べるという非常に斬新な本なのです。
これを書くためのスキル。
・会計の知識
・会計の歴史
・エンタメの知識
・エンタメの歴史
これらの素材をまずアウトプットできるほどの深さでしっかり調べ込み自身の血肉にするのも大変ですがそれをストーリーにして更に会計がわからない方にでも理解してもらえる様に解説するスキル。
そらこの本は売れるわ。次元が違うもん全く、、、、って感じです。
この本はドラマで例えるなら宮藤官九郎の代表作の一つ【タイガー&ドラゴン】の様な衝撃でした。
※タイガー&ドラゴンは、落語のエピソードと、現代劇に絡ませていくという意味で非常に斬新かつ面白いドラマでクドカンドラマの中で一番好きなドラマです。
会計人もそうでない方も超絶オススメですので読んでみて下さい。
※ただ本を書いたりブログを書く会計人にとってはある意味でその次元の違さに打ちひしがれる事必至ですのでそれが嫌な人は読まないほうが良いかもしれません。
まず、【会計の世界史】という本は、本の帯にもあるように【誰にも書けなかった】ここ重要で【書かなかった】じゃないんです書くことができなかった本なのです。
なぜか、Amazonレビューでも書きましたが、会計とエンタメ、今と歴史の膨大なインプット量と、それを調理するアウトプット力が、高い次元で両立しないと書くことが出来ないのです。
更に、エンタメの話は主人公の目線(主観)の物語から、客観的な会計の歴史に話を展開し、更にそれを総括して話の顛末はまたその物語の主人公に絡ませて終わる。
話が主観(物語)、客観(説明)、会計、そしてエンタメを行ったり来たりするので、それを統括出来ないといけないのです。
主観と客観が行ったり来たりしないなら、今までもあったし作れないことはないのです。
レビューで、【会計の世界史】はクドカンドラマの【タイガー&ドラゴン】だと例えたのはそんな理由です。
会計事務所クラウド化マニュアルとの共通点
では、我が書籍【会計事務所クラウド化マニュアル】と何が共通点なのって話なんですがそれは
【主観(物語)と客観(情報)を行ったり来たりする】という事なのです。
つまり、話の題材は全く異なりますし、その内容は天と地ほどの差がありますが、同じ様な構成を思考しながら作った本なのです。
まずタイトル。
一見【会計の世界史】という言葉から連想するのは、18☓☓年に、○○があってと時系列にそってその歴史の事実を客観視して解説するような内容と思いますが、前述のとおりそうではないないのです。
一方、【会計事務所クラウド化マニュアル】も、タイトルは会計事務所のクラウド化の取扱説明書(客観)のような情報を書いているようで、内容は自分の目線から思考したクラウド効率化のノウハウ集。
つまり、【廣升健生税理士事務所のクラウド化物語】なのです。
ただ、そのクラウド化物語をあえて【マニュアル】と言っている
これは、書籍を書く時に最初に意識したことで、自分は大原簿記学校で税理士科の講師の経験があり、教材作成にも携わってました。
当然、税理士試験の受験生の経験もあるので、受験生としてのノウハウもあります。
その時にどっちの目線で書籍を書くのかという話で、自分が考えたのは、
税理士試験の合格体験記と専門学校のテキストをミックスさせた様なクラウド化マニュアルを作る。
ということなのです。
そこで本を書くために必要な経験になったのが、自分の事務所のクラウド化ノウハウを他の会計事務所に移植するというコンサルティング。
これつまり大原の講師と同じで、自分の受験勉強の勉強の合格ノウハウを他者に当てはめてみる。
当然自分の事務所とは事務所の規模も、顧問先の属性も、提供しているサービスも違う。
その中で、どんなことなら出来て、逆に何はできないのかの最適解を模索するという事を、立場的には自分がノウハウを提供する、つまり税理士試験でいうなら講師なわけですが、自分自身が一番学んだ。
それを、書籍に反映させ廣升事務所のノウハウを紹介しながら、コンサルティングを通じてその最適解であったものを紹介しているという作りになっているのです。
再現性が高かったワンクリックオペレーション
そうすると、廣升健生税理士事務所の1ノウハウの様で、その中で再現性の高くかつ業務効率が格段に上がる最適解の方法として、たどり着いた結論がワンクリックオペレーションなのです。
それが書籍の冒頭で
というメッセージにつながっています。
自分は、クラウド会計ソフトを活用している、しかし、他の会計事務所に自分の事務所のノウハウを当てはめた時に、一番の効率的なのは会計ソフトの前段階をクラウド化する事であり、その方法論としてワンクリクオペレーションなのです。会計ソフトをクラウド化する事が最適解ではなかったんですね。
それが、廣升健生税理士事務所のいちノウハウであるのに、マニュアルの様に見せる工夫なのです。
コラムは本編の元となる思考
またコラムは、本編の内容の元となっている自分自身の思想、クラウド化を進めていって自分自身の価値観や働き方がどう変化したのかというのを表現しています。
そのため、コラムも読み進めていくと、事務所のクラウド化を進めていくと何を感じるようになり、何が変わったかを疑似体験いただけるような構成にしています。
そこは、マニュアルと言いつつ、やはり一受験生の合格体験記という趣きになっています。
【会計の世界史】ぜひご一読を
長々と述べてきましたが、そんな感じで今回の書籍執筆にあたっては、こんな本は自分にしか書けないと思いながら新しい本を作ろう作ろうと、暗中模索しながら執筆していましたが、そういうスタンスで書籍を執筆していたからこそ尚更わかる、『会計の世界史』のその次元の違う斬新さ、面白さ。そして勉強になる。
会計人はもちろん、誰でも読んでも超絶面白いこと請け合いですので、ぜひ一読してみてください。