クラウド会計ソフトと併用したいクラウドツール①【税と経営】連載記事アーカイブス

第6回 クラウド会計と併用したいクラウドツール①

第6 回 クラウド会計ソフトと併用したいクラウドツール①【税と経営】連載記事アーカイブス

今回は、クラウド会計ソフトと併用して使いたいクラウドツールについて紹介したいと思います。というのも、本連載におけるクラウド会計ソフトの定義はすでに解説しているとおり、会計ソフト自体をパソコンなどにインストールする必要がありません。そのためインターネット環境があればパソコンの機種やタブレットなど関係なく操作やデータの共有を行うことが可能です。

そうであれば、クラウド会計ソフトと同様に通常クライアントとのコミュニケーションのやり方についても、クラウドツールを取り入れることでよりスピーディーかつ適切なサービスが可能になると考えます。そこで、私が事務所で使っているコミュニケーションのためのクラウドツールを今回と次回の2 回にわたって紹介させていただければと思います。

コミュニケーションツールはチャットワーク

クライアントとの文字のコミュニケーションについては、電子メールが一般的ではないでしょうか?電子メールについてもクラウドサービスが普及が進んでおり、google 社の提供するgmail などがあります。私の事務所でも、gmail はもちろん活用はしておりますがメインで使用しているコミュニケーションツールは、チャットワーク(chatwork)【http://www.chatwork.com/ja/】というサービスを利用しており95%以上のお客様はこちらのツールを使っています。

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このチャットワークを簡単に説明すると、まずイメージはスマホアプリのコミュニケーションツールとして人気のLINE【http://line.me/ja/】のビジネス版と考えると解りやすいかと思います。LINE の様に会話形式でコミュニケーションが可能であり、電子メールのようにいちいち宛先を入力し、定型的な挨拶文なども必要がありません。

ただこの程度ですと、チャットワークでのコミュニケーションは一見大きなメリットを感じないかもしれません。例えば、定期的にやり取りするクライアントの宛先は一度登録しておけば、簡単に呼び出すことは可能ですし、クライアントと虚礼文のやり取りはしないと決めていれば、gmail とも大差ないでないかと思われる方も少なくありません。ただ私は、実際にチャットワークを使用してコミュニケーションをしているクライアント様と、電子メールを使っているお客様を比較すると、格段にチャットワークでのやり取りをしているお客様との方が、密な関係が築けていることを実感しています。

意識が変わると、全てが変わる

私も会計税務の顧問業務などのお客様と、なかなか良い関係を築くことが出来ず顧問契約が解除になることもありました。その原因を詳らかにしていくと多くの場合、コミュニケーション不足が起因しています。例えば、直接的な原因が確定申告の際に取り扱う税額計算のミスだとしても、遠因は往訪の際に内容を聞き忘れ、その後の電子メールでのやり取りもないまま、申告期限近くに資料を入手して作成をし、チェックも重点的に行われない結果としてミスが発生すると言うケースが少なくありません。この様な失敗を根本的にかつ未然に防ぐのは日々のコミュニケーションだと実感してから、私の事務所では、出来る限りチャットワークを使用することをご了承いただく様にしました。

チャットワークでやり取りをする様になって大きく変わったのは、クライアント様の意識だと思っており、ちょっとした会計税務の疑問点でも、気軽に質問していただけるようになったのです。小さいことでも質問に対応していると、大きな課題などが見えて来ますし、月次の往訪時には実際に対面でしか解説出来ないような内容に注力することも可能です。この様に、ひとつのツールで気軽にコミュニケーションするという意識になることで、その後に影響し、会計税務の業務の結果が変わってくる事を実感しています。

今回は、クラウド型のコミュニケーションツールであるチャットワークについて解説させていただきました。具体的に電子メールとの違いや、LINE などその他のコミュニケーションツールとの違いは、チャットワークのホームページにも詳しく解説されているのでそちら参照していただければと思います。

私の事務所ではチャットワークを2 年程使用していますが、現在の事務所運営においてチャットワークを使わずに現状のクライアントとのコミュニケーションを構築する事は、無理ではないかと思うほど重宝をしています。またチャットワークは使えば使うほど、税理士事務所に限らず士業といわれる専門知識を提供する業種には最適なツールだと考えております。もしクラウド会計ソフトの導入を検討するお客様がいらっしゃれば、チャットワークもセットで導入してみてはいかがでしょうか。

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