負のスパイラル前編

独立開業した税理士が失敗に陥る負のスパイラル 前編

税理士に限らず、士業の資格勉強を初めるという場合、最終的に【独立】を目指す方が多いと思います。
自分自身も税理士試験の勉強を始めた当時、「将来は独立だ」と信じてやみませんでした。(いざ試験に合格し税理士として仕事をスタートする段階になると尻込みしたのも事実ですが)
まぁそれでも2013年に独立はしたのですが、士業のだれしもが独立開業するかというと、全くそんなことはありません。
税理士の業界で言えば、税理士法人という法人組織の一勤務税理士として働く、いわゆる「サラリーマン税理士」がとても多くなっています。

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なぜ、サラリーマン税理士たちは独立を目指さないのか。

もちろん、税理士試験を目指す時点から勤務税理士として働きたいという方もいると思いますが、多くの場合税理士として実務をする中で、会計業界が斜陽産業であることを痛感します。
そのため、独立するよりも今の勤務税理士の方が収入もいいし安定しているという思考が働くため、独立を目指してはいたけれど結局雇われている方がいい、という選択をする方は少なくありません。
そう考えると、一般的なサラリーマンと発想は変わりません。

税理士目指す9前段が長くなりましたが、なぜ独立しても仕事がないだろうと思うのか。

それは、税理士として自分で仕事をとってくるスキルを基本的に持ち合わせていないからだと思います。
これは、自分自身の経験談です。かつて税理士法人や税務コンサルファームで6年ほどの実務経験を経て独立しましたが、その間に積極的に営業するによって仕事をとるという業務をしたことはありませんでした。
もちろん、日頃の業務で信頼を獲得して関連会社の税務顧問が舞い込んだり、金融機関向けに行っていたセミナーが好評で別の案件でも依頼が来るという話はありました。しかしながら、自分で仕事を獲得するという訓練は皆無といっていいほど

そのため、2013年に独立した際も、どうやって仕事を獲得すればいいのか暗中模索でした。

自分では仕事をとりにいけない−−。そんな時は、手っ取り早い方法として「税理士紹介サービスへの登録」があります。これはざっくり言うと、税理士が紹介サービス会社から顧問先を紹介してもらうというサービスです。

人材紹介とかでもよくあるサービスですね。税理士紹介サービス会社からクライアントを紹介してもらい、成約できれば税理士紹介サービス会社に紹介手数料を支払います。

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このサービスに登録し顧客を紹介してもらえば、とりあえずの収入源は一定数確保できます。
私も独立してすぐ、税理士紹介会社に登録しました。
税理士として開業をしたとたん、アプローチすることもないのに向こうから電話がかかってきたのです。
新規の開業税理士は、税理士紹介サービス会社にとって最良の新規顧客です。前職の事務所からごっそりと顧客を引き継いだりしない限り、大抵はのどから手がでるほど顧客をほしいと願っている税理士なのですから。
話を戻しますが、税理士の紹介サービスは、独立開業してお客さんが全くいないうちは、使ってもよいかもしれません。しかし、継続して利用するようだと、事務所運営が負のスパイラルに陥ります。
理由はたった一つ。紹介の手数料が高額だからです。
自分が開業すぐに使っていた、とある紹介会社だと、紹介手数料は年間の顧問報酬の55%です。(※左記は1年目の紹介手数料で2年目も年間報酬の20%取られます。3年目以降は手数料はかかりません)税理士目指す15

なんと、クライアントからいただく報酬の半分以上を税理士紹介サービス会社に支払わなければいけないのです。

次は具体的に陥りがちな負のスパイラルの話です

負のスパイラル2

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