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税理士試験本試験当日『今日に限って力を発揮できなかった』の言い訳。

元楽天の監督であった野村克也氏の名言で【勝ちに偶然あり、負けに偶然なし】
という言葉がありますが、自分はこれは資格試験のおいてもとてもあてはまる言葉だと思っています。
自分が税理士試験の前に簿記試験を3度不合格の後、4度目の正直で合格したとう話は前述のとおりですが、簿記試験に不合格の度に、タイトルにもある【本試験を自分の力が発揮できなかった】や【自分の力はこんなものではない】という言い訳をしていました。
ただ、負けを何度も繰り返していくうちに、少しづつ本試験で負ける敗因や対策を検証していったのです。
そして、とても大事なこと2つに気づきました。
1つは【本試験は誰だって緊張する】という事。
そして2つめは、緊張するという事は、一部の天才を除いて自分の様な一般人はまず間違いなく【普段できる事の100%は出来ない】という事でした。
感覚的は、普段できる事の70~80%が出来れば上出来ではないでしょうか。
上記の2つのことを前提に、不合格が続いていた自分の勉強方法を見つめなおすと、まさに、【負けに偶然なし。。。。】
必然に負ける勉強をしていた事に気がついたのです。

056税理士試験本試験不合格の言い訳を言わないために

では具体的にどの様な事な勉強だったかというと、
大きく分けて下記の3つです。

1.得意な論点や問題などだけを繰り返し解答し、出来るつもりになっていた

簿記一級を勉強していた当時の自分は、とにかく長時間勉強をしていれば資格試験は受かると考えていました。
そのため、勉強方法はいたってシンプル。とにかく、【受験予備校から配布された問題をひたすら何度も解く】というやり方でした。
この勉強方法は正しい部分もあります。
計算の算式を体に覚えさせるとう意味では反復練習は必須であり、繰り返し解くこと自体は有効な方法ではあります。
ただ、当時はすでに何度繰り返しても簡単に解答出来る問題と、何度試しても論点の理解不足やケアレスミスなどで解答できない問題を、同列に時間をかけて解答していました。
そうすると、例えば、10問の計算問題演習を行ったとして、何度も繰り返している問題なので9問は問題なく解答できた。
ただし、1問だけはいつも間違えるという場合に、10問中9問出来ると、単純な割合でいけば90点とれたという形になるので、なんだか出来た気になってしまうんですね。
その90点を何度繰り返しても、間違った1問は解けるようにならないのですが、他の9割を解けたことで満足してしまっていた。
本来はその1割の解けない論点に、他の9割の正解を出す時間を費やすべきなのですが、
当時は、9割が解答出来たことが嬉しかったのです。
それではやはり本試験でミスすることは明白でした。

2.通常の計算演習と本試験で異なる解答方法をしていた

本試験で出来ないことは練習の時からやってはいけないんですね。
例えば、すごく単純な作業ですが、【今回は文章をしっかり読んで解答しよう】と演習問題を解くとか、【時間無制限で解く】などは、自分は演習する意味はないと思ってます。
本試験は時間制限があり、かなり緊張した状態で問題を解いていくわけです。
じっくり読んで解けるようになっても、時間無制限で解ける様に実力の向上にはならないのです。
カーレーサーはスピードを出してコーナーを回るから、時にスピンやクラッシュなどのトラブルに遭遇するわけで、トラブルが怖いからと言って、スピードを落としてコーナーを回っても、それは技術の向上にはならないのと同じです。
そんな本試験では使えない演習をよくやっていました。

3.解答精度が低い論点も解答可能論点として認識していた

これは、結果が出なくて、勉強している時に陥りがちになる話ですが、
基本的に資格試験に合格するために必要な論点というのは、受験予備校のカリキュラムをしっかりと消化すれば網羅することが出来ます。
後は、その消化する論点の精度がものをいうわけですが、試験に合格出来ないと、どうしても枝葉末節の論点、仮に出題されたとしても誰も解答出来ずに、いわゆる【捨て問題】の論点まで勉強しないといけないような感覚になっていきます。
合格への最短ルートは、ベーシックな論点で自分の弱い部分を洗いなおして、そこを徹底的に詰め直すのがいいのですが、負けがこんでくると、勉強範囲の【戦線拡大】をしたくなるのです。。
結果としてそれがどのような結果を招くかというと、戦線拡大をした結果、論点の修練度が薄くなります。
本試験では【多分出来る】という論点を数多くも持って行くよりは、【確実に出来る】論点を一つでも増やしていくほうが合格への近道なのです。
簿記の受験時代は、とにかく難解な論点も少し練習をして、出来るようになった気になっていたので、本試験では手を付けたけども点数にならないという結果になり、試験に合格しませんでした。
上記3つを踏まえて、税理士試験時には、
本試験は緊張するものであるのだから【緊張してもミスをしない方法を日々の勉強時に考える】【本試験で戦えない知識は持っていかない】
という2つの事を常に念頭において勉強をしました。

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⇒又は第10章 税理士試験に合格しなければ恋人は去っていく話です

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