86独立か勤務税理士かで受験科目を決めてみては?2

独立開業か勤務税理士かで税理士試験の受験科目を決めてみては?

税理士試験の受験科目の選択において、個人的にはスピード重視派で、科目の中身よりも短期合格を優先したほうが良いと思っているが、これは税理士になった後の人生設計が前提にあるからだ。
結論からいうと、税理士になってからなるべく早く独立したいと考えているなら、スピード重視。

税理士法人の勤務税理士として働き、基本的には独立を目指さないようなら、国税三法などのボリュームの多い受験科目を選択するのが良い。理由は、自分が勉強して取得する科目について誰が評価するのかが、独立するのと勤務税理士では全く違うから。

一見、独立するほうが幅広くいろいろな業務に対応しなければいけないのだから、税法三法をしっかり学んだほうが良いのではと思うかもしれないが、別の話でも触れているように、勉強はどちらにしろしなければならないので勉強する必要性という意味ではどちらも変わらない。

違うのは、独立した時にお金をくれるのは目の前にいるお客さんであるのに対して、勤務税理士で働く場合のはいくらお客さんと対峙しても、実質的に評価をするのは税理士法人の中の上司であり所長だ。
独立した時に対するお客さんが求めるのは、もちろん会計税務の話が基本だが、それだではない。それ以外のスキルの有無が大きく左右する。言い換えれば、【税理士】という肩書は必要だが、お客様はその合格科目などに基本的には興味がない。

対して、税理士法人の勤務税理士であれば、同僚も当然会計資格を取得している者になる。そうであれば、例えば相続の事業承継案件があったとして、相続税法の合格科目を持っている者とそうでないものがいれば、その案件を任されるのは前者である可能性が高い。

そうであれば、税理士試験に合格するのは数年遅くなったとしても、所得税法や相続税法を受験科目に設定した方が良いかもしれない。結局資格試験の勉強は、勉強する過程においてその後の職業人としての基礎能力を身につけるという側面と同時に、その取得した資格について周りが評価してくれて、初めて意味があるものになる。

そうであれば、税理士試験を合格した先に評価してもらう相手は誰なのかを明確にすることで、何を受験科目にするかが明確になるはずだ。

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