税理士試験の科目選択。スピード重視?実務重視?
税理士試験は、科目合格制度という試験制度。
簿記論、財務諸表論という必須の会計科目に、所得税法、法人税法、相続税法、消費税法、事業税、住民税、固定資産税、国税徴収法、酒税法という税法科目の中から法人税法か所得税法のいずれか一つは必須。それ以外は選択制で五科目合格すれば、税理士試験に合格できる。(税理士になるには一定の実務経験が必要)
税理士試験を受験する際には、殆どの受験生が悩むところ。会計科目は必須なので、簿記論、財務諸表論は確定。
税法科目は所得税法と法人税法のどちらかが必須だが、実務を考えれば法人税法はほぼ必須と思って間違いない。そうすると、選択の余地があるのはあと二つの税法科目をどうするか。
よく言われるのは、短期合格を目指して学習範囲の少ない税法を選択する【スピード重視派】か、実務に従事する時を想定して、所得税や相続税などの勉強ボリュームは多くても重要な税法科目を選択する【実務従事派】かという議論だ。
自分は、会計の必須科目と法人税法、消費税法、固定資産税という選択。消費税法は学習範囲が比較的に少なく(ミニ税法と言われる中では多いほうだが)、実務でも日常的に使われるので選択し、あと一科目は実務ではさほど活用する場面は多くないが固定資産税を選択した。理由は一つ。自分は【スピード重視派】だったから。
まず、税理士試験に早く合格することを目標にしていたので、複数科目を受験する為に、かつ自分の勉強スペックで合格レベルに持って行くことが出来るのは、ミニ税法しかないと考えていたから。
実務についた時の為に、所得税法や相続税法を勉強する必要は絶対にある。自分も、実務で年に一度必ずやってくる所得税の確定申告や、相続税の案件の時には、勉強しておけば良かったと思ったことが一度や二度ではない。結局、網羅的に勉強しようと思うと、巷に売っている本などをかじってもなかなか頭に入ってこないので、結局【資格の大原】の実務講座という、実務家を対象として体系的に学習できる講座に申し込んで勉強をした。
資格の大原の実務講座は受験対策用のテキストを基本に再編集されている(と推測する)ため、内容はとても濃くかつ要所要所がコンパクトにまとまっているので、勉強してよかったと思う。一方、受講料は決して安くないため、税理士試験の科目受講料と数万程度しか違いはないのだ。ただし、勉強する時間という意味では、自分の選択で間違いはなかったと、今でも思っている。