税理士試験合格を仕事をしながら目指す一番のハードル
仕事をしながら税理士試験合格を目指す一番のハードルはなにか言えば、【勉強時間の確保】と殆どの人は考えるだろうし、正解だと思う。
ただ、勉強時間が確保できない理由を考えていくと、仕事と両立させて、あるいは家族サービスなどのプライベートと両立させて、税理士試験の勉強をするための、一番のハードルの根本は、日本人に刷り込まれた価値観だと考える。
具体的には、和をもって尊しとなす(ちなみに、四字熟語だと用和爲貴(ようわいき))という、組織や集団での争いを好まず、誰かの犠牲になる事を美徳とする価値観。日本人には自分も含めて多かれ少なかれこのアイデンティティーが刷り込まれていて、三つ子の魂百までというが、刷り込まれている価値観を明日から切り替えるのは本当に大変だ。
よく言われることだが、日本での仕事は欧米に比べると生産性が低いらしい。理由は上記のアイデンティティーにとても起因していると思っていて、成果よりも足並み揃えて喧嘩せずに何かを成し遂げるという方が日本人にはしっくり来ていて、多少効率が悪くてもそちらの方が、結果うまく行く。
そのやり方が欧米の成果主義に比べて間違っているかと言われれば、そのやり方で経済大国になっている現在を見れば、ひとつの価値観として正しいと思うが、仕事をしながら資格試験の勉強するなら、まずその意識を少し変えないといけないと思う。
資格試験の勉強をして自分自身もスキルアップが出来れば、組織や一緒に仕事をする人にとっても勿論良いことだ。個人の能力が向上して、貢献度も高くなるのだから。
ただし、自身の勉強の効果を享受するのは、少し先の未来の職場であり、同僚達であるはずだ。
受験勉強している時には残業はせずに定時で帰る事も必要だし、勤務体制も見なおしてもらう必要もあるかもしれない。そんな時に、仕事の同僚はどんな接し方をするか。
結構な割合で受験勉強の妨害をする。
それもタチが悪いのが、直接妨害するわけでなく、間接的に妨害するのだ。例えば、仕事は残業して遅くまで残っている方が偉いんだぞオーラを放ってみたり、無駄に細かい帳簿の摘要欄の記入を指示してみたり。
仕事をしながら税理士試験を目指すなら、こういう状況の中でも勉強するという意志が必要。時には職場の上司や同僚と短期的に達成した成果の尺度が異なる時も出てくる。そんな時でも、短期的なまわりの評価よりも、達成すべき目的、つまり「なぜそれでも税理士試験の受験をするのか」が確固たるものでないと、必ずブレる。
そこがブレると、最初の話の『勉強時間が確保できない理由』など探せばいくらでも転がっている。
【勉強時間を確保する意志】がしっかりと固まっているのか否か。仕事をしながら税理士試験の勉強をする際の根本的な一番のハードルはこれだと思う。