税理士試験の受験期間が長くなってしまう人の共通点 計算編
税理士試験は、科目合格制という試験の性質上、受験期間が長期間に及び場合が多い。
合格者の平均受験期間が7~8年程度と言われているが、それでも合格できれば良いほうで、なかなか合格科目が増えずに科目合格のまま受験勉強自体を諦めてしまう人も多いわけだが受験が長引く人。
つまりなかなか合格できない人にはある程度傾向がある。
今回は、税理士試験の受験期間が長くなってしまう人の共通点【計算編】の話を少々。
結論から
受験期間が長くなる人の傾向を一言で結論づけてしまえば、
だ。税理士試験は毎日地道に勉強すれば合格するというわけではない。もちろん絶対的な勉強時間は必要だが、いつ何をどういう目的で勉強しているのかを明確に意識して勉強しないと時間ばかりを浪費し勉強した気にはなっているが結果はなかなか出ないのだ。
今回は具体的に3つの例を見ていく。
受験予備校に盲目
受験予備校のカリキュラムや、講師の指導を正しく守れば合格すると信じている受験生は多い。
もちろん、受験初年度や2年目であれば、受験予備校のカリキュラムを正直に遂行していくことが、合格への一番の近道である。
しかし、受験3年目以降であれば、なんの為に受験予備校に通うのかをしっかりと考えた方が良い。
例えば、1年目も2年目もしっかりと勉強した。であれば、どんなにボリュームの多い科目であっても、各論点の理解は出来ているはずだ。
だが、
なんとなく授業に通ったほうが良い気がして、授業を受ける。
しかし考えたほうが良い。授業を皆勤賞で受講しても合格への階段は一歩も上がっていないのだ。
その時間に、自分が苦手だと思う論点を自習したほうが良いのではないか?基本問題を解き直して精度を上げたほうが良いのではないか?
自分はいつもそんな事を考えていたので、一度不合格で2度目の受験の固定資産税と、2度不合格で3度め受験の消費税法は、テキストと答練問題を取り寄せて、完全独学で勉強していた。
総合問題が大好き
受験3年目以降の受験生でよく聞くのが、
何を勉強すれば良いのかわからない
前述のとおり、どんな科目も2年間もしっかりと勉強すれば、学習論点は網羅できる。
そうすると、何を勉強すれば良いのかわからなくなり、論点を忘れないためになんの意図もなく総合問題を解きまくる受験生が多い。
自分から言わせれば、意図もなく総合問題を解きまくるほど時間の無駄遣いはない。
総合問題の怖さは、何度も解き直せば9割がたはコンスタントに点数を取れてしまうことなのだ。
総合問題を解くと、多くの場合1つや2つのケアレスミスが発生する。
税理士試験の勉強は論点の理解不足が原因で不合格になるのは受験初年度かせいぜい2年目までだ。この2年は勉強時間が絶対的に少なければ、論点をカバーしきれないということが当然ある。
が、3年目以降になれば、論点の理解は出来てて、後はケアレスミスをいかに分析検証して、10に1度のケアレスミスを100に1度、1000に1度という風に、精度を高めていく作業が合格への道なのだ。
だが、総合問題の場合は、60分程度の時間を使って1つのケアレスミス。もう一度、発生しないかの検証にまた60分を要するわけだ。
それはどう考えてもコスパが悪いのだ。
例えば、これが個別問題なら一問5分だとして60分で12問の解くことが出来る。そのうち1問にケアレスミスがあったとして、その問題を再度解き直しても5分。コスパが断然違うのだ。
合格への一番の近道は、ケアレスミスの発生原因を一つ一つ潰していく事。税理士試験の計算問題なんて、はっきり言ってそれだけだし、自分はそれを愚直にやっただけだ。
戦線拡大しすぎ
これは、自分が講師をしていた法人税法に顕著に言えることだが、法人税法が合格できない人の最たる原因が、学習範囲の戦線拡大をし過ぎなのだ。
法人税法の場合、細かい論点まで網羅的に学習すると、学習範囲がかなり広くなる。
受験3、4年目でも、直前の答練になれば、知らない論点、通達の細かい内容などが出題される。
で、その項目を押さえなければいけない様な気がしてくるのだ。
なぜなら、もう2年も3年も合格していないから、とにかく学習論点の戦線拡大こそが合格への道だと思いがち。ただそれをやりだすとキリがない。
これが一番危険なのだ。そもそも戦線拡大をしなければ合格しないのであれば、受験1年目の初学者など、合格するはずがないのである。
しかし、自分も初学者一般クラスで合格した。
合否を左右するのは直前期に紹介される枝葉末節な論点ではないのだ。
合否を左右するのは、基本教材で紹介されている基本項目やそこから派生する応用項目レベルを完璧な精度で解答できるレベルで合格するのだ。
もちろんそこまでが完璧であれば、細かい論点まで手を出しても良いだろうが、受験期間が長くなる受験生はその基本論点のブラッシュアップを疎かにしがちなのだ。
まとめ
受験期間が長くなる人の傾向を3つあげた。
共通して言えるのは、なぜ?をあまり考えずに勉強していてはダメだということ。
を考えようということなのだ。
こう言うと、
という人がいる。確かに無駄ではないからもしれないが、同じ時間を使うなら0.1%ずつでも合格の可能性を高める勉強をしたほうが良いのだ。
そこに、意識が向かないというのは、試験勉強に勝つための戦略が自分の中で見えていないだと思う。
⇒次は税理士試験の受験期間が長くなってしまう人の共通点 理論編です