スラムダンク谷沢にみる叱ってくれる指導者の大切さ

スラムダンク谷沢にみる叱ってくれる指導者の大切さ

スラムダンク谷沢にみる叱ってくれる指導者の大切さ

言わずと知れた伝説の漫画【SLAM DUNK(スラムダンク)】に出てくる谷沢龍二って知ってますか?

スラムダンクのにわかファンは知らない人も多いので、簡単にだけ説明すると湘北高校の安西監督が、某大学の監督だった頃にいた逸材が谷沢でした。

谷沢は長身の割にはスキルも高く期待していましたが、基礎練習が大嫌い。安西監督の厳しい基礎的な指導に嫌気が指し、俺は自由にやりたいと単身アメリカに渡米。 しかし、その1年後に安西監督は現地で奮闘する谷沢の映像を見るが、まるで成長していないのです。  安西監督は、呼び戻そうとするも消息がつかめずその後4年の月日が経過したある日の新聞の小さな記事で、『米で邦人留学生激突死。谷沢龍二さん(24)120キロの暴走 薬物反応も?』の記事を見ます。

彼の死後、彼が出そうとしても出せなかった手紙に書いてあったのは、アメリカでは誰も自分に指導をしてくれないことなどの悩みが書いてあり最後に

谷沢

バスケットの国アメリカの、その空気を吸うだけで僕は高く跳べるとおもっていたのかなぁ…

と締め括られていたというエピソードです。

ここから本題

前振りが長くなりましたが、独立開業をしてからよくこの谷沢のエピソードを思い出すんですよね。自分は33歳の独立しましたが、パン屋3年。税理士試験受験予備校講師で3年。会計実務を6年。合計12年のサラリーマン生活があります。

いま独立開業して思うのは、仕事をする上での大事な事はほとんどサラリーマン時代に税理士法人の代表や、先輩あるいはお客様に教えてもらったなと思ってます。

それを経験せずに、独立してたら大事な事を見失うなぁと思ったりしていて今回はそんなたくさんある教えてもらったエピソードを一つ。

リスケして経理のおばさまにこっぴどく叱られた話 サラリーマン時代に組織の内部の先輩などから叱られることが多くても、お客様で強烈に叱らってくれる人は、実はそんなに多くないありません。

そんな中、今でもしっかりと覚えていて、自分の行動指針としているのが、税理士法人で会計実務を1年くらいして仕事がひととおりわかってきた時に売上高4,000万円程度、社員4名の中小企業の経理のおばさまAさん(以下『Aさん』)に叱られたエピソードです。  事の経緯は、毎月そのお客様の会社に往訪をして会計帳簿のチェックと監査業務を行っていたのですが、他のクライアントの業務で忙しくなると特に急な用がなくても、

ちょいちょい訪問日のリスケをお願いしていたのです。その当時の別のお客様は1部上場の企業だったり売上高も数十億~数百億のお客様だったのです。  正直に言えばその売上高が4,000万ほどしかないお客様をなめてたんです。 だから、ちょっと自分の仕事が忙しくなったりでスケジュールがあわなければ、リスケしてもいいよね!?って心の中で思っていたわけです。

で、そんなリスケが重なってきた時に、次の往訪では通常の会計帳簿のチェックだけでなくその10日後に銀行から新規の融資を受けるための融資計画書の作成及び打ち合わせをするという大事なミーティングでいつも対応いただくAさんと、社長と自分の3人でのお打ち合わせの予定でした。

その打ち合わせの重要性は自分ももちろん認識していたのですが、タイミングの悪い事に打ち合わせ当日の朝に、別件の大きなトラブルがあり当日の往訪を翌日にリスケしたいと電話した時に。そのAさんにビシっと言われました。

お客様の声 ITベンチャーT様4

うちの社長は、あなたのスケジュールにあわせるために仕事しているわけじゃないんですよ

これって、表面的にはリスケをしたいことで、叱られたのですがそれまでの一挙手一投足のこのお客様に対応する姿勢を叱ってくれたんだろうなぁと思ったわけです。

約束の日程を守る。約束の時間を守る。質問などがくれば返信のスピードを上げる。メールのやり取りがギクシャクしているなら電話して直接声を聞いてみる。こちらに非がある仕事のミスは素直に謝る。

こんな基本なことが、取引金額の大きさや仕事の忙しさにかまけてグラグラしてきてしまうんですよね。

サラリーマン時代に人生の先輩から学ぶ事は大きいぞ

仕事をする上での心得みたいなこの類の話なら、自己啓発本でも読めばいくらでも書いてあることなのですけど、自分自身が叱ってもらってたくさん考える事があるのかないのか大きな大きな違いになると思うので、指導してくれる方が多くいるサラリーマン生活もいいこと沢山ありますよ!

と言いたい。

最近、クラウド会計関連の仕事でベンチャー企業の方々と知り合うことが多いのですが、その皆さんの価値観は大企業など大きな組織のサラリーマンなんて、得るものはない。一日でも早く起業だ!独立だ!みたいな感じですけど。

長く生きている人生の先輩から学ぶことは大きいですよという事。20代でITベンチャーで一山当てれば、それこそ40代、50代のサラリーマンの方より稼ぎは多いかもしれないですけど、やっぱり学ぶことが多いですよと言いたい。