freee登場以後の会計税務の形後編

クラウド会計ソフトfreee(フリー)登場以後の税理士の業務の形 後編

前編で述べたとおり、freeeでは会計帳簿を自動作成できます。しかし、現金のレシートの入力や、紙ベースで送付されてきた得意先からの請求書の整理や登録などについて、多少の入力作業等は手作業で行うことになります。

今までそうした作業は会計知識のスキルを持つ専門家が担当していましたが、今後はfreeeの操作を知っている方であれば、その業務を担えるようになります。

事務所を運営する側の立場で言えば、人件費は簿記の知識の有無、簿記試験や税理士資格の科目合格の有無によって変わってきますので、freeeで登録作業ができ、安い人件費で業務を遂行できるのであれば、有資格者や同等の知識・経験のある者を雇用するはずです。

そうすると、このfreeeが普及すると税理士事務所の経営は顧問報酬の値下げにともない、スタッフの人件費を削減しようという発想になります。人件費さえ落とせれば、なんとか事務所運営は成り立ちます。

一方、割を食うのは、事務所の無資格スタッフであり科目合格者なんですね。

税理士試験は5科目合格で資格取得という試験制度ですが、一度合格した科目は一生合格実績は消えません。

そのため、税理士試験の勉強は諦めたものの、税理士試験の一部の科目で合格したというスタッフも税理士事務所には数多くいます。そのようなスタッフは、試験勉強を長くつづけ、実務経験も豊富。だからこそ、事務所でも重宝される存在として、安い賃金ながらも雇用はされるでしょう。

一方、これから税理士試験に向けて勉強する方は、税理士試験の一部の科目に合格したとしても、実務のスキルもなければ、実績もありません。

そのような人材が、freee登場後の会計業界で必要とされるのかは未知数です。

 

クラウド会計ソフトfreeeについては、2015年現在では、まだ主なユーザーは個人事業主や、従業員数人の法人のユーザーが大半のようです。

理由としては、まだクラウド会計ソフトという分野自体が発展途上であることと、テクノロジーの真価に使いこなすユーザーの価値観が追いついていないと言うのが大きいと思います。

そうした中、個人事業主のお客様などからは『freeeを使い出したら、今までの会計帳簿を一つ一つ手入力するなんて戻れませんね』という声を必ずいただきます。その個人事業主のお客様が将来的にビジネスを拡大して法人成りしてくれば、会計帳簿の自動作成の流れは一気に加速するはずですし、freeeが普及しなくてもこの流れは変わらないはずです。

このテクノロジーの進化によって会計業務が大きく変貌する。

そしてこの会計業務の変貌によって、税理士試験で勉強している業務スキルは相対的に価値が低下していることを認識するべきだと思います。

次はGoogleがもし会計ソフトを作ったら更に経理業務の自動化が加速するという話です。

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