freee登場以後の会計税務の形前半

クラウド会計ソフトfreee(フリー)登場以後の税理士事務所の業務の形 前編

廣升健生税理士事務所では、主にクラウド会計ソフトfreee(フリー)を活用した会計税務サービスを提供しています。

このfreeeの登場によって、今後数年の間に今までの会計、税務のビジネスモデルの大幅な変革期に入って行くと予想されるため、紹介したいと思います。税理士試験の勉強中の方にとっては、実務で使用する会計ソフトの特徴などはまだ知らない方が多いと思いますが、非常に大事な局面に入っていく時期ですので、ぜひあらかじめ時流をつかんでおいてください。

freeeが従来の会計ソフトと大きく異なる特徴は2つ。

・通帳明細の自動同期によって、会計帳簿を自動で作成すること

・この会計帳簿の自動作成をすることを前提とした直感的なユーザーインターフェイスであるということ

 

まず会計の帳簿を自動で作成することによって、複式簿記による借方貸方の記入という作業の大半が自動化します。これは、税理士事務所の記帳代行の業務を大幅に軽減することにほかなりません。このfreeeの登場によって、大きな影響を受けるのは税理士事務所のトップ(所長)ではありません。影響は、事務所で働く無資格者たちに及ぼされます。すなわち、記帳をメインとしているスタッフや、税理士試験勉強中の科目合格者など、税理士資格は持っていないけれども会計税務の知識があるスタッフの雇用を奪っていくことになります。

具体的には、freeeを導入することによって、

記帳の手間を自動化できる

やじるし

従来の顧問報酬は記帳代行を前提としているため、記帳代行が必要なくなれば、記帳代行を前提としない顧問報酬に値下げが起こる

やじるし

そもそも記帳代行のためのスタッフが余剰人員になる

やじるし

相対的に記帳代行のスタッフの存在価値が低下する。

……と言うことになります。

また、freeeのもう一つの大きな特徴である、会計の知識を必要としない直感的なユーザーインターフェイスについて。

今までの会計ソフトは、ほぼ例外なく複式簿記による記帳が前提となっていました。そのため、記帳代行のスタッフは少なくても簿記の知識が必要でした。しかし、freeeの会計帳簿の作成は複式簿記の知識を前提としていません。

もちろん、複式簿記に慣れているいわゆる会計業界の従事者にとっては、freeeのユーザーインターフェースは最初は戸惑います。しかし、最初からfreeeを使いだせば、圧倒的にfreeeのユーザーインターフェースの方が使いやすい。そうすると、freeeは使い方のコツさえ一度覚えてしまえば、複式簿記の知識がなくても会計帳簿の登録作業ができる、ということになります。

次は、クラウド会計freeeの登場で仕事がなくなる経理スタッフと会計事務所経営の話です

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